満月が輝く夜に

樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須

満月が輝く夜に

眠い目をこすりながら寝室に入ると、カーテンに月の光が当たり、部屋中が明るくなっていた。カーテンを開けると窓の外には満月が輝いている。

満月に見とれて思わず窓を開けると飼い猫のクーが窓から脱走してしまった。「あー大変!クーちゃーん!!」急いでクーの後を追う。


「クーちゃん、どこにいるのー?帰っておいでー」と好きな鈴を鳴らしながら家の近くを探すが反応はない。「もう遅いし起きたらもう少し範囲を広げて探してみよう」仕方なく帰宅したが、クーの事が心配で、その夜はなかなか寝付けなかった。


翌朝、日の出と共に目が覚めた。とりあえず腹ごしらえをしようと冷蔵庫を開ける。「あ、忘れてた!」クーの牛乳を切らしていた事を思い出した。「猫用の牛乳、近くのコンビニに置いてないんだよなぁ。クーちゃん探すついでに、ちょっと遠いけど海沿いのコンビニまで行くかー」腹ごしらえを簡単に済まし、クーの好きなご飯とおやつを持って出発。


クーの名前を呼びながらコンビニまでの道のりを歩いてはみたものの、結局見つからないまま海沿いのコンビニに到着…かと思いきや、コンビニの駐車場で海をぼんやり眺めながら座っている男性と、その横にちょこんと座る黒猫がいた。「あっクーちゃんだ。良かったぁ」くつろいでいる二人を邪魔しちゃ悪いと思い、私はすぐには声を掛けず、しばらく見守る事にしたのであった。

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