第23話 隠れクエストの鍵は俗語だったり?
あ……。
そういえば、お爺さんの事すっかり忘れてた。
ごめんなさい。ヴァナ爺様
んで、好感度とかはいかほどに........?
あれ、あれれれ?好感度ってカンストしたりするものだっけ?
サイトには、低級の青、中級の緑、そして高級の黄色に分類されると書いてあったはずなのだが、今お爺さんの好感度を示すアイコンは虹色に光っている。
こうなると、嫌な予感しかしなくなるのだが。
『お前たちの力量を見込んで、頼みたいことがあるのじゃが……。』
お爺さんがこう言ったということは、今からクエストが開始されるということで……。
「さて、今儂の手の中には三つのカードがある。それは……。」
「それは、カトラリーと、何重も重ねた円と、天使の羽の三つのシンボルがそれぞれ書かれている物でしたっけ?」
「!!その通り、よくご存じだね?」
「えぇ、まぁ。この文句はマグナ・カルタの古書にも少し書いてありましたから。」
これは本当に書いてあるんです。
オデッセアにメタメタ古い本しか置いてない図書館がありましてですね。
そこにあるうちの一冊に書いてあったのですな。どういう内容だったのかは忘れた…というか、脳内に靄が掛かっていて思い出すのを阻んでいるかのようで……。
何でだろうなぁ……。
多分、ミディのお父さんに関することもそうなんだろうな。
はぁ……。ひとまず今はこのクエストに集中して……。
「あぁ。そういえば、そうだったのぉ。ということは、君たちは儂がもう一枚カードを持っていたとしてもその内容は分からないんじゃろう?」
「?そんなの持っているわけが……。」
「なんてな。これは冗談じゃ。試すようなことをして悪かったの。」
「なら、良いのですが。」
さっきの質問で何を確かめたかったのか。
好感度の虹色が何を示すのか。
不安は尽きないんだよなぁ。昔っから、深読みしないとすぐ足をすくわれる........とどこかで思っているし、今でもそう思っているためみんなの言葉の裏で何を考えているのかを常に考えてしまう。そのことが良い結果を引き連れてくることも時々あるが、大体は骨折り損のくたびれ儲けとなる。
「それでは改めて、頼みごとをしようかの。」
その一言で周りにいた人全員が顔を引き締め、姿勢を正す。
多分私がそうしたからだろうが、ミデンさんやレイさんまで真似しなくても良かったのになぁ……。だって関係ないじゃんか。
........たぶんね。
「はい、お願いします。」
「そんなに畏まらなくても良いんじゃがのぉ……。儂が持っているカードから、一枚引いてくれるかな?」
「その引いたカードのクエストをするということですか?」
あまりこのクエストについて知らない、というか今初めて知った感が半端ない結葵ちゃんがそう尋ねる。現に彼女は急に始まったこのクエストについて一ミリも知らないだろう。だって私何にも話してなかったんだもん。
というのも、ヴァナ爺さんって現れるに周期があるのか、特定の条件を達成しないといけないのかは定かではないが、バッティングする確率がめっさ低いことでおなじみなのだ。それに会えたとしても高級の好感度にするまでにも大変らしい。
でも、私はあっさり黄色まで行って、しかもカンストさせてしまったようなのだが?
特に何にもしてないのになぁ……。強いて言うならRINGクエストに挑戦しているって感じすかね?
「基本的には…じゃな。」
「基本的には、ですか?」今度は杜和が怪訝そうな。
まぁ、そうだよなぁ。この人、言葉の一つ一つを忠実に守る派でして、逆に面倒なんですよなー。でも、ココではこの基本的には、がカギになってきたり来なかったり?
ホントはもし好感度が思っていたほど上がらなかったりしたら使うやつなんだけどさぁ……。
最高ランクまで上がっているこの状態で使ったらどうなんだろうなとかと考えたのがきっかけで、ぼそりを呟いた言葉と、そのあとに取った行動がやばかった。
「さて、ここから一枚……。」と、お爺さんがこちらに持っているカードを差し出す。
「It’s up to you.(お任せします。)」と言う。
「........」
「........Is it not okay?(それじゃダメですか?)」
「……。では、これではいかがでしょうか?」
「あー、はい。それで大丈夫です。」
何重にもなっている円のだから、お使いクエスト系か。
色々歩き回ったりしないといけないからちょっと面倒だけど、高級のクエストよりはまだマシかなー。
このままクエストが本格的に始まるはずだったのに、
お爺さんの懐から一枚のカードがひらひらと落ちてきた。
そして、そのカードを拾ってしまったことが今回の最大の敗因であった。
「おや、本当にこの子たちはこのカードで良いのですかな?イーリアス様?」
イーリアス?
イーリアスってホメーロスによって作られたと伝えられる長編叙事詩で、最古期の古代ギリシア詩作品と言われている、あれのこと?
ギリシア神話を題材とし、トロイア戦争十年目のある日に生じたアキレウスの怒りから、イーリオスの英雄ヘクトールの葬儀までを描写する。ギリシアの叙事詩として最古のものながら、最高のものとして考えられている。叙事詩環(叙事詩圏)を構成する八つの叙事詩のなかの一つ、だっけ。
んでもって、この人の別名はヘーリオス伯爵……。
ヘーリオスは、ギリシア神話の太陽神である。しかし、ギリシア神話に登場する、オリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスの息子。詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高く、羊飼いの守護神にして光明の神ともいわれている男神:アポロンと同一視されることもある。そして、アポロンに関する話はイーリオスにも載っていたはず。
だからか。
それにしても、今私が取ったカードがなんだっていうの?
何か面倒なことを引き寄せちゃったわけ?
お爺さんが宙を見ていた。その方向を見ると、淡いオレンジ色の火の玉のような光が瞬いており、お爺さんの質問に答えるかのように二回点灯した。
「すまない。やはりクエストはこちらのカードのものにしたい」
そういい、私が持っていたカードをそっと引き抜いた。
そして裏返すと、虹色の背景に、青の鍵マークがついていたその後ろには悪魔らしい羽が隠されていたが?
こんなカードのことは書いてなかったけどな!?
仕方ないからやりますかいな。
でも一から調べないとやなぁ……。
面倒……
私、渚沙さんほどやないけど、ズボラなんだけど?
まぁいいっか。全然良くないけど笑
これは何を示すのか。
んまぁ、面倒なことを言い出さなかったらそれでいいと思っていたのですが。
逆に面倒な方を引いてしまったようでございます。
詳しいことは次回。サボれなくなったじゃん!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます