フラナ・ハーピル編
第21話 第二フェーズへの準備
鉱山とか初めて来たー。
頑張って掘ろう……。
スキルの関係上私しか掘れないしな。
「ってなんで、鉱山で労働しないといけないことになっている訳?」
「そりゃあ、次のクエストで使うゴーレム用の材料を手に入れんといかんからだろ?」
「いや、だからってなんで私だけ……。不服……。」
「それもしゃーないやんか。姉貴以外、発掘出来ないからやろ?」
「それもスキルの影響なんだから!コピーして手伝ってよ!あんた体力あるんだから!」
「ちぇ……。分かりましたよったら……。」
ということで、杜和にスキルをコピーさせて少し休めるかな……。
今のうちに状況の説明をしますかね。
えーと、ルカから水晶をいただいて、そのあとだね。
今回のクエストはホントに地下鉄駅風のダンジョンになっているっぽい。
ピオーニアの駅が高低差の関係か地下になっていたんですけど。その柱から例のダンジョンに入って、階段を上がって一階分上がってきたんだけど。そこで、まるで改札のごとく一つ目のクエストがあったんだよね。
そして、今はその改札から少し先にある通路を歩いてあるもう一つの改札をクリアするための下準備中ですね。次の改札をクリアしたらまた階段を降りることになるらしいから、また電車にでも乗らないといけないのかな?
まぁ、そこはひとまず置いておいてとな。
今はその二つ目の改札である
【
サブクエスト②
ゴーレムを作って、遺跡内のゴーレムにしか反応しない扉を突破しよう。】
っていう、クエストを攻略しないといけないんだよね。
そして、ゴーレムを造るのは杜和ーエーチの役割というのも、これにはこのクエスト用と言ってもいいスキルがありますので。
【SAーゴーレム知識】ゴーレムの製作・操作を行うことができる。
ってやつすな。
これも、私の古代魔法の奴と同じく未知モンの時に手に入れていてやつだね。
どうも、これあの三匹を倒した人じゃないとクリア出来ないやつじゃん。
何でこんな面倒なことを?
……もしかして、これ私に受けさせたかったわけ?
渚沙さんも『プレゼント』って言ってたしねぇ........。
謎が多いわ、このクエスト。
でもまぁ、確かに魔導士としては今まであまり活動してないからな……。
ギルド職員として働いていれば、お給料とかは十分だし、本職にもいるのは情報だけだし。魔道具作成は単なる趣味と小遣い稼ぎだし。これを、ヨル観とかに卸してしまった日には超高額がついてしまうのよwww
ということで、ダンジョンとかに行くのはホントに必要な時だけだし。
なのに、楽しいからっていう理由と実力確認のために一回マジで本気でダンジョンを攻略しに行ったら、なんかいろいろ記録更新しちゃってドロップ品もいろいろもらっちゃって。
私の護衛のつもりなのか分からない、おせっかい野郎三人に止められた。
それに、私開発者組しか知らない超裏技を使ったりして見たから、足立さんにも止められた。
なので、今は、前のような応援要請的な奴と、作成用の材料の採取だけにしている。しかも、全力を出さないで。
まぁ、それはしゃぁないけど。あの時全力出したからだよね……【ヨルムンガンド最強魔導士ーソーン・ルナー】とかいう称号というか、面倒な俗称を手に入れることになったのだが。
という無駄話は置いておいて、
いまは、そのクエストに必要な相棒ーゴーレムを造るのに大切な鉱石とやらを集めねばならんのですがね。
スキルの影響上それができるの私しかいないんですけども。
何でやねん。
しかもなんでただの魔導士の私がこんなスキル持ってんのよ?
今まで、鉱石とか、宝石とかを使ったことなかったからなぁ。
あること忘れかけてたわ。
【採掘】鉱石を鉱山などで採取することが出来る。(レベルによって価値が高い鉱石をとることが出来る。)
まあ、普通の採掘系スキルなんですけど。
この中で持っているのが私だけというのが問題。
で、先ほど本職暗殺者の新米炭鉱夫に手伝わさせて少し休憩したけど、もうそろそろ働きますかね。
それに、私は楽にがっぽり取りたいしね。
もし余ったらくれと言っているから。良いよね。
「よーし、がんばろ!」そういって、案内所で貸し出されたツルハシを持って立ち上がった。
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「ふぅ……。これで、どうだ!!!!」
体力が切れるすんでまでツルハシをふるっていた私は、そういうと
そのままぶっ倒れた。
「いやいや、これはどう見ても異常だろうが。」
「他の人と比べて桁違いですね。」
そう言い私が今まで配給されたトロッコのなかに積み上げていった鉱石の量を確認している。
「質も量も、並みの人と比べたら凄いねぇ。」と二人の横から、赤髪のボブカット・金の釣り目の女性が顔を出して、私が掘り出した石を見ていた。
「レイさん!どこですか?早すぎですってば―?」
「んー?ああ、ここだよ、ここ。ミデン、早く来てー。この子やばいから。」
「分かりました。すぐ行きます!」
と少し離れたところで赤髪の女性ーレイを探している黒髪ロングで少し垂れ気味のエメラルドの宝石持ちの子ーミデンがこちらに駆けてきた。
「あー、どうも。ミデンさん、トロレイさん。」
「うん、受付ぶりだね。っていうか普通にレイでいいよ。他のみんなもそう呼んでるし。にしてもホント凄いね、これ。どうやったらこんなに良質な鉱石を採れるわけ?」
「わぁ、ほんとにすごいですね⁉」
この二人、今私たちが入っている【ライヒ鉱山】で受付をしているのだ。
でも、山にはほとんど入ってこないって先ほどまで一緒に掘っていた常連さんに聞いたんだけどな?
もしかして何か問題でもあったのかな?
「この質のものをこんな量で........。ほんとにどうやったら採れるんですか?教えてくださいよ!」と少し勉強熱心そうなミデンが食って掛かってきた。
「教えたいのはやまやまなんだけど、これは企業秘密だからな。ごめん。と、もうそろそろマナも戻ってきたかな?もう少し採掘してから帰りますか。」
近くにほったらかしていたツルハシを杖代わりにして立ち上がる。
「まじで?まだすんの?」驚愕する、杜和たち。
「うん、だって魔道具用にずっと欲しかった魔石が出てこないんだもん。あるって書いてるのに……。脈が違うのか?」といって、フラフラと空を見つつ場所を離れる私。
そんな後ろでは……
「鉱脈探すのか……。はぁ、こりゃ見張りをしばし強化しないとだな?」
「だね。のぞ……ソーンさんが例の裏ワザを使うとき全集中力が持っていかれているって本人は気づいてないんだよね?」
「おう。だから、俺がいたら気を付けているけど、一人の時は無意識で防御とかを展開してるのかも。前言ってたけど、裏技使い終わって気がついたら襲い掛かってきていたらしい賊を倒していたって……。」
「すごいね。」
「うん。まぁ、その時は何故か視界が良くなかったみたいで、情報をちゃんと見れなくてイライラしてたらしい。それで気が付いたらって感じらしいよ?でも、きっとこれあの人の反射神経がいいからできてるんだと思うんだよな。あの人、直感と反射神経だけは昔から良いから。」
「流石は法林家の直系だね?」と揶揄してくる。
「姉貴はまだそれ知らないからな?」
「分かってる。時が来るまでは言いませんよ。私の家系は代々口が堅いんです。」
などなどと二人が話していたとは私はつゆ知らず暢気に採掘してましたけど……。
そして、まさかのここで、問題発生。
その問題というのが、先ほど親切にしてくれた鉱山の常連という設定のNPCのおじいさんの獲物を、近くにいたらしいチンピラプレイヤーたちが漁っているっというもの。
本当はほっておいてもいいんだけど、このNPC様を助けたらね、隠れクエストが現れるんじゃなかったかな?
ざっと、EFO版のヨル観みたいなサイト:Straight upにそんな情報があったような……。
あそこに書かれているってことは、情報源が確定していてデマじゃない情報だってことだもんね。
その理由は「straight」。基本的には「まっすぐな、一直線の」という意味の単語だけど、スラングでは「Straight up」で「その通り、間違いない」という意味になるからねー。
そして、その隠しイベントを発動させるにはお爺さんNPCが困っている状況で手助けをすることによって発動するのだが、少し厄介なのはその手助け前の彼のプレイヤーに対する好感度の高さによって出現するクエスト内容が違うということ。
そして、今は三台階のうち真ん中の好感度で、今のままだとお爺さんのパシリに合うだけなんだよね。簡単に言ったらいうと【お使いクエスト】が発生するだけなんだよね。
そして、最上級のクエストにするには、この緊急イベントを無事クリアしないといけないんだよね。
おまけに、もう一つある隠しクエストも開けれたらいいんだけど……。
このクエストのことを知っているのは、本当はEFO陣営の人だけなんだけど。
この前、雅成君が渚沙さんと間違えてその情報を私のところにメールしてきたからな。だから知ってるんだけど。
何で、私のところに送ったんだろ?
私たちのメアドってそこまで間違えるような奴じゃないんだけどな?
まぁ、いいや。ひとまず、あのNPC爺様ーヴァナ・ディールを助けますかね。
そのあと隠しクエストのレベル上げるためにちょっとテク使う必要あるかもだけど、それにスキルとかは要らないみたいだったし気楽にいきましょう。
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