スキルオーブと魔法オーブ

 コウガは少し戸惑いながらオーブについて答えてくれた。

「そうだったな。あまりに色々ありすぎて驚いていたが、オーブの事が聞きたかったんだよな。オーブにはスキルオーブと魔法オーブがあるのだが、持っているだけでそのスキルオーブのアーツや魔法が使えるようになるんだ」

「鑑定で確認したのと同じですね。それで、使えるのは1回だけですか、それとも何回も使えるのですか?」

 問題はそこなのだ。1回しか使えないのであれば、慎重にならざるを得ないが複数回使えるなら何とかオーブなしでも使えるようにしたい。

「心配しなくても何回も使えるぞ。オーブは上級貴族が独占しているような感じだからな。なかなか手に入らないんだが、まさか初級ダンジョンで手に入れてくるとは予想さえしなかったな」

「何回も使えるのですね。もしかして魔法のオーブはその魔法を覚える為に存在するって感じなのですか?」

「そうなのよ。ママの実家にも火魔法のオーブが3つあって、それで火魔法を覚えたの。そこから先はママのお母様やお祖母様から教えて貰ったのよね」

 やはりオーブは魔法を覚えるのに必要なアイテムって立ち位置なのだろう。所謂キーアイテムだな。

 魔法のイメージさえあれば覚えられる気がするのだが、これまでに何回も魔法を使おうとチャレンジしたがいつも失敗に終わった。

 この世界に俺ほどの魔法イメージを持った人間はいないと思うので、オーブなしでは魔法は覚えられないのではないかと予想している。

「では、オーブさえあれば誰でも魔法を覚えられるということですか?」

 初めて魔法について聞いた時に、誰でも覚えられるのが生活魔法でそれ以外は職業がどうとか言っていたな。

 それで魔法使い系の職業以外で例えば剣士とかでも魔法は使えるようになると聞いた。コウガがそれに該当すると言っていたのでよく覚えている。

 つまりコウガはオーブを使って魔法を覚えたという事だろう。

「絶対とは言い切れないけど、おそらくオーブがあれば覚えられると思うわよ」

「お父様も風魔法が使えるようになったのは、オーブを使ったからですか?」

「そうだ。俺は中級ダンジョンのボスから出た宝箱から風魔法のオーブを手に入れて使えるようになったんだ」

 思った通りだ。

 今後の目標が決まったな。

 これからはボス周回をして宝箱の中身を確認すると同時にレアアイテムのオーブをどんどん集めていこう。

 それと同時にオーブで覚えた魔法のレベルを上げつつ、魔法を交えた戦闘スタイルを確立する事を目標にしよう。

 うん。そうしよう。これからが楽しみになってきたぜ。

「ある程度はわかりました。後は明日ダンジョンで試してみようと思います。ありがとうございました。それで、お腹空いてきたのでご飯にしませんか?」

「そうだな。ご飯にするか」

 俺の一声で夕食になったので、リカルドとミランダが準備をしてくれた。

 夕食時ももちろん、俺がダンジョンでどうだったかの話を聞かせた。

 ゴブリンキング相手にどう立ち回ったのかや宝箱からオーブ以外何が出たのか。

 ボス部屋までの道中はどうだったのかや転移陣の移動についてなど、色々と話した。

 何でも鉄のインゴットは鍛冶師のホストンさんに持っていけば、加工費だけで新しい武器を作ってくれるとのことだ。ただし、今ある分だとナイフが作れるかどうかの量しかないので、他の武器がいい場合はもっと鉄のインゴットを集めてから持って行かないとその分高くなるという。

 夕食が一段落して、みんなで食後のティータイムの時にマリーが思い出したかのように聞いてきた。

「そういえば、リオンちゃん。ステータスプレートを見せて貰ってもいいかしら?」

「そうでしたね。今取り出しますね」

 俺は魔法袋からステータスプレートを取り出し、魔力を込めてステータスを表示する。

「あっ、レベル上がってる。えっ、ステータスがすごく上がってる」

「「「「えっ」」」」

 レベルが上がったのはいいとして、何でこんなにステータスが上がってるんだ。

「リオン、俺ももう一度見せて貰ってもいいか?」

「はい、みんなで見て貰って大丈夫ですよ」

 テーブルを挟んで、コウガとマリーへ見えやすいようにステータスプレートを表示する。その後にリカルドとミランダにも見せて上げる。

 ちなみにステータスプレートの表示はこうなっている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:リオン・スペンダー

年齢:9歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

ステータス

 レベル:2

 体 力:226/226

 魔 力:944/1138

 攻撃力:111

 耐久力:68

 敏捷力:109

 精神力:41

 抵抗力:41

スキル

 剣術、体術、調合、錬金

魔法

 魔力操作、生活魔法

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ステータス(前回 → 今回)

 レベル:1 → 2 +1

 体 力:207 → 226 +19

 魔 力:1079 → 1138 +59

 攻撃力:102 → 111 +9

 耐久力:62 → 68 +6

 敏捷力:101 → 109 +8

 精神力:36 → 41 +5

 抵抗力:36 → 41 +5

 魔力の上がり幅がおかしい。

 レベル上がるだけで、こんなに上がるか普通?体力もかなり上がっているが、それでもレベルアップでこんなに上がるのは変だな。

 何か変なスキル取ったのかもな。というか上がり方的に称号だろうな。もう少し詳しく見てみるか。『ステータスオープン』。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:リオン・スペンダー

年齢:9歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

ステータス

 レベル:2

 体 力:226/226

 魔 力:944/1138

 攻撃力:111

 耐久力:68

 敏捷力:109

 精神力:41

 抵抗力:41

スキル

 剣術LV10、体術LV10、調合LV1、錬金LV8

魔法

 魔力操作LV10、生活魔法LV8

エクストラスキル

 鑑定LV10、身体強化LV10、魔力回復LV10

特殊スキル

 魔力超回復、超剣術、超体術、スキルの達人、魔法の達人、エクストラスキルの達人、ダンジョンの希望

称号

 【伯爵家次男】【魔力ハングリー】【剣術の極み】【体術の極み】【スキルマスター】【魔法マスター】【エクストラスキルマスター】【輝く原石】

装備

 武器:なし

 防具:なし

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おお、やはり称号だったか。特殊スキルも一緒に覚えたのだろうな。

 早速両方を鑑定してみる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

特殊スキル

 ダンジョンの希望

  ダンジョンで魔物のドロップ率がほんの少し上がる


称号

 【輝く原石】ソロのレベル1でダンジョンを攻略した者に与えられる称号

  効果:ダンジョンの希望を覚える 全ステータス+5%

  取得条件:ソロのレベル1状態でダンジョンのボスを撃破し帰還転移陣を発動させる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 うわー、全ステ5%アップあるよ。これだな。ステの上げ幅がおかしいの。

 道理で魔力がとんでもなく上がってる訳だ。

 ただ、この【輝く原石】という称号は俺以外に取れる人いるのか?

 ソロ且つレベル1でダンジョンのボスを倒さないといけないとなると、ボスが弱い初級ダンジョンで何とかなるレベルかな?装備ガチガチに固めればいけるか?

 それでもこの世界の人には厳しいような気がするな。

 それよりも特殊スキルの効果がダンジョンでの魔物のドロップ率上昇なんだけど、今まで100%の確率で魔石落としてたけど、魔石以外にも落とすことがあるのか?

 これからは少し気にしながらダンジョン攻略していこう。

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