ダンジョン攻略ノートを書く
俺は魔法袋から魔時計を取り出して現在の時間を確認した。
もうすぐ13時になろうとしていた。
確かダンジョンに入る前に確認した時間は11時50分ぐらいだったから、大体1時間10分ぐらいで初級ダンジョンをクリアしたことになるのか。
少し慎重に行動していたところがあるから、もっと攻略速度は短く出来るから1周1時間は間違いなく切れるな。
17時までには帰る約束をしているから、休憩を含めてあと3周したら帰るとするか。
とりあえず、ここで20分ぐらいしてもゴブリンキングがリポップしなかったら、転移陣で戻ってから再度挑戦しよう。
「まずは昼食だな、とは言っても携帯食料と水だけど」
俺は魔法袋に魔時計をしまって、変わりに携帯食料と水とゴブリンキングの魔石を取り出した。
携帯食料を食べてみたが、見た目はレーションのようだ。味はあまり美味しいとは思えず、空腹を満たすだけの食料のようだ。
俺は携帯食料を食べながら、魔石を〈鑑定〉して見た。
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名称:魔石(中)
状態:普通
価値:Dランク
詳細:魔力を宿した石。
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ふむふむ、魔石(中)でDランクっと。
10センチぐらいあるからな。これは今後何かに使えるかもしれないからある程度は残して置こうかな。
帰ったらコウガに使い道とか値段とか聞いてみるとしよう。
魔石と交換でインゴットを魔法袋から取り出し、〈鑑定〉をかけてみる
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名称:鉄のインゴット
状態:普通
価値:Eランク
詳細:鉄で出来た塊。
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鉄のインゴットだったか。純鉄って感じではないが、それなりに純度は高そうだな。
それでも状態が普通ってことはもしかして高品質があったりするのだろうか?
そのところも含めて周回で確認すればいいか。
携帯食料を食べ終えたので、水をグビグビ飲んでいく。
飲んだ分を生活魔法のウォーターで補充する、ちなみに入れ物は水筒のような感じのものだ。
ふぅっと、一息ついてからステータスオープンでレベルが上がってないか、一応確認してみた。
「予想通りレベルは上がってないね、1のままだ」
ボスはパーティーで倒すって言ってたから経験値が多いかも知れないが、それでもレベルが上がるまでには足りなかったらしい。
しかも1人で挑戦したことによって経験値も分散していないのにだ。
レベル2に上がるのに必要経験値多すぎ問題。
そんな事を思いながらも俺は上機嫌だった。なぜなら、必要経験値が多いゲームは割と好きだったからだ。
昨今のゲームは簡単にレベルマ(レベルマックス)になるのが多かったりしたが、俺はレベリングや周回は苦にならずに出来るタイプなので、難易度の高いゲームはどんと来いだ。
ただ、現実で攻略不能に近い敵とかはノーサンキューだけどね。
もし負けイベとかあったら、やばいな。大けがするか最悪死ぬ場合もあるかも……遭遇しませんように(祈り)
俺は魔法袋から1冊のノートとペンを取り出した。
ノートの表紙には[ダンジョン攻略 初級]と書かれている。
1ページ目を開いて、今回マッピングした部分だけを書いていく。
分岐点、魔物の出現場所、魔物情報、ボス情報を今分かる範囲で書いておいて、周回毎にどんどん追加していくぞ。ここまで5ページ分だ。
次のページに魔物の情報などを書いていく。ボスのゴブリンキングも1ページに渡り書いてしまった。
それから次のページにボスを倒した後に手に入れた宝箱情報を記載してノートを閉じる。
地図はどこかのタイミングで全部確認するとして、とりあえずは宝箱に当たりが出るかの確認だな。
初級ダンジョンでは宝箱の当たりは、ごくわずかかもしれないが、レベリングも兼ねているので問題はないだろう。
いや、鉄のインゴットは外れって訳ではない気がするな。
これをホストンさんに渡せば、鉄の槍とか斧とかを作れるのではないのか?確かホストンさんは鍛冶師って言ってた気がする。
そうすれば、今上げられるスキルがなくなったから、新しい武器のスキルを上げられるようになるぞ。
魔時計で時間を確認したら13時30分だった。いつの間にか30分も立っていたらしい。
急いでボス部屋の中に移動しゴブリンキングがリポップしているか確認するがダメだった。
どうやら転移陣で1回出ないといけないのか、何か他に条件があるのか分からないな。
とりあえず、1回出てからもう一度入り直そうと思い、俺は転移陣まで行って魔力を流し転移する。
どうやら、建物の中の一段下がったところに無事転移してきたようだ。
さて、2周目突入と行きますか。
俺はダンジョンへの転移陣が隣にあるので、そこまで行きまた魔力を流して転移する。
「やってきました、戸惑いの森ダンジョン2周目です」
さてさて、ボス部屋までのマッピング情報は覚えているし、敵と遭遇した場所も覚えている。
次の階層への階段の位置も変更なければ、30分ぐらいでボス部屋まで行けそうなのだが、もし毎回マップが変更されるのであれば少し厄介だ。
所謂ローグライクゲームは毎回ダンジョンに入るたびにマップが変更される。したがって次の階層への階段が前とは全然違うところにあったりするのだ。
今回ダンジョンに入った場所は前回と同じように見える。
まずは前回と同じように進んでみるとしよう。
俺は鞘から鉄の剣を抜き、最初にイモムーと会った場所までダッシュで駆けていった。
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