鑑定レベル10の凄さを見よ

 お昼を少し過ぎた頃に2人は帰ってきた。

 アルスは立派な鉄の剣を大事そうに抱えて、笑顔いっぱいだ。うん。無事に剣士になれたんだ。嬉しくて堪らないのだろう。

「ただいま戻りました。無事剣士になれました」  

「アルスちゃん、おめでとう」

「お兄様、おめでとうございます」

「アルス様、おめでとうございます。報告の前から笑顔だったので剣士になれたとすぐに分かりましたよ」

「アルス様、おめでとうございます。お見事です」

「ありがとうございます」

 本当に嬉しそうな笑顔だ。こっちまで嬉しくなるよ。

「ただいま。屋台でいろいろ買ってきたから昼食にしようか」

 なるほど、道理でマリーもミランダも食事の準備をしていなかった訳だ。

 アルスとコウガが帰ってきて、ミランダとリカルドが飲み物と食器の用意をして食事となった。

 屋台で買ったといっていた物は、何かの肉串やコロッケみたいな揚げ物、固いパンを薄く切って、野菜と肉を挟んであるハンバーガー風の物があった。

 食事をしながら、アルスが[鑑定の儀]での事を話してくれた。

 まず、教会の前に着くと100人近くの同い年ぐらいの子がいて、名前を確認しながら、保護者と順番に中へ入っていく。

 中は広く、一番奥に少し高くなった場所があり、その中心に台が置かれており、台の上に魔道具が載っている。魔道具の前には司教様が立っている。

 そして、名前を呼ばれた順番に司教様の前まで行って[鑑定の儀]が始まる。

 魔道具に水晶玉がはめこまれており、それに手を触れると水晶玉が少し光り、鑑定される。

 鑑定結果を魔道具が作り出したステータスプレートと呼ばれるものに表示されて渡される。

 アルスの説明をまとめると、このような感じだ。そして魔道具から出てきたステータスプレートを見せて貰った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:アルス・スペンダー

年齢:9歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:剣士

ステータス

 レベル:1

 体 力:30/30

 魔 力:67/67

 攻撃力:18

 耐久力:12

 敏捷力:11

 精神力:9

 抵抗力:9

スキル

 剣術

魔法

 魔力操作、生活魔法

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 まんま鑑定のスキルだね。しかも大分レベルが低いやつだ。スキルと魔法までしか見れないし、スキルレベルも見れない。

 だが、その魔道具はすごい。鑑定結果をステータスプレートに表示させれるというのは鑑定使えない人にとっては便利だ。

 ちなみに俺が今鑑定をするとこうなる。『自分を〈鑑定〉』


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名前:リオン・スペンダー

年齢:7歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

ステータス

 レベル:1

 体 力:77/77

 魔 力:64/727

 攻撃力:46

 耐久力:30

 敏捷力:45

 精神力:23

 抵抗力:23

スキル

 剣術LV8、体術LV9

魔法

 魔力操作LV10、生活魔法LV8

エクストラスキル

 鑑定LV10、身体強化LV7、魔力回復LV8

特殊スキル

 魔力超回復、魔法の達人、エクストラスキルの達人

称号

 【伯爵家次男】【魔力ハングリー】【魔法マスター】【エクストラスキルマスター】

装備

 武器:なし

 防具:なし

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 どうでしょう。鑑定レベル10の凄さは!?

 特殊スキルも称号も見られるようになったし、装備も付けているものを表示してくれる。今は何もつけてないからなしだけどね。

 しかもレベル10になったら無詠唱で発動できるようになったのだ。いや、心の中では唱えてるけどね。

 フフフ、では鑑定レベル10をお見せしましょう。『鑑定を〈鑑定〉』


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鑑定:対象の情報を読み取る

 LV1:〈鑑定〉を覚える 名前、名称、年齢を読み取る 魔力+10 魔力消費20

 LV2:種族、性別、状態(状態異常は悪いと表示)を追加で読み取る 魔力+10 魔力消費19

 LV3:状態(武具などの品質)を追加で読み取る 魔力+10 魔力消費18

 LV4:職業を追加で読み取る 魔力+10 魔力消費17

 LV5:状態に状態異常を追加、価値を追加で読み取る 魔力+10 魔力消費16

 LV6:ステータス、スキル、魔法を追加で読み取る(ステータスオープンにより自身のステータスが確認できるようになる) 魔力+20 魔力消費14 

 LV7:エクストラスキル、スキルLV、アイテムや武具などの詳細情報を追加で読み取る 魔力+20 魔力消費12

 LV8:特殊スキル、称号を追加で読み取る 魔力+20 魔力消費10

 LV9:調合素材、錬金素材を追加で読み取る 魔力+40 魔力消費6

 LV10:鑑定を妨害された場合に一定確率で無効化する。 魔力+50 魔力消費1

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 レベル9、10と魔力プラス値が跳ね上がってるんだよ。さらにレベル10で魔力消費1です。

 これはすごい。覚えた頃が嘘みたいに使いたい放題だ。

 レベル10になってから、鑑定で見たい物だけ表示したい場合、頭の中で思い浮かべれば編集可能になった。俺は今のところ全部表示させてるけどね。

 

 鑑定以外もすごいんだよ。ステータスが軒並み高くなっているのだけど、それは称号が関係しているんだよね。『称号〈鑑定〉』

 

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【伯爵家次男】伯爵家の次男に生まれた者に与えられる称号

 効果:特になし

 取得条件:伯爵家の次男に生まれる

【魔力ハングリー】魔力が常に飢えている者に与えられる称号

 効果:特殊スキルの魔力超回復を覚える 魔力+50

 取得条件:魔力残量10%以下の状態で1日経過する

【魔法マスター】魔法の1つを極めた者に与えられる称号

 効果:特殊スキルの魔法の達人を覚える 体力・魔力+10、攻撃力・耐久力・敏捷力・精神力・抵抗力+5

 取得条件:魔法LV10を所持する

【エクストラスキルマスター】エクストラスキルの1つを極めた者に与えられる称号

 効果:特殊スキルのエクストラスキルの達人を覚える 体力・魔力+10、攻撃力・耐久力・敏捷力・精神力・抵抗力+5

 取得条件:エクストラスキルLV10を所持する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 伯爵家次男は置いといて。魔力ハングリーの取得条件がおかしい件。魔力残量10%以下の状態で1日経過って、無理ゲー過ぎるでしょ。

 何で俺持ってるの?謎なんだが!とこれを最初見たときは思ったんだけど、よくよく思い出してみると、鑑定を検証していた時に、1日中鑑定しまくってた時があったのですよね。昔の俺ナイス!!

 魔力ハングリーを手に入れると、どうやら特殊スキルの魔力超回復が手に入るみたいなんだな。称号を手に入れた時に特殊スキルを覚えるのが多いようだ。魔法マスターとエクストラスキルマスターも同様だしね。

 それから、称号の効果でステータスもかなり上がっている。

 魔力ハングリーは魔力しか上がらないけど、魔法マスターとエクストラスキルマスターは全体的に少しずつ上がっていて、こういうのの積み重ねで強くなっていくんだよね。

 それじゃあ、次は特殊スキルがすごくいいというのをお見せしよう。『特殊スキル〈鑑定〉』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔力超回復

 効果:5分経過で魔力が1%回復する。

魔法の達人

 効果:魔法のLVがほんの少し上がりやすくなる。

エクストラスキルの達人

 効果:エクストラスキルのLVがほんの少し上がりやすくなる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 特殊スキルは効果しか表示されないが、まず魔力超回復はすごく使える。5分で1%だから8時間強で100%回復する。

 さらに魔力回復のスキルもあるから実際はもっと速く100%になる。この特殊スキルを覚えてから劇的にスキルや魔法などのレベルが上がるようになったんだよな。

 そして、魔法の達人とエクストラスキルの達人はそれぞれのレベルがほんの少し上がりやすくなるというものだ。

 こういうのは持ってて損はないからな。しかも魔法とエクストラスキル全部に効果があるから、めちゃくちゃ優秀なんだよね。

 特殊スキルはレベルがないから、覚えるだけで即戦力なので、出来ればどんどん覚えていきたいところだな。

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