鑑定士になっていた

 次の日、俺は起きている時に時間によって魔力回復しているかの検証を行った。


 最初は鑑定を3回使いある程度の魔力を減らす。(4回目を使おうとしたら使えなかった)

 次にドライを使えなくなるまで使う。

 そして、10分単位でドライを使い、使えるかどうかを確かめる。その間に食事をすると分からなくなるので、今日は検証の為いつもより1時間も早起きしているぞ。

 結果、30分でドライが使えるようになった。ドライが魔力をいくつ消費しているのか分からないので、30分でいくつ回復したかも分からないが、最低1は回復していることが分かったので良しとしよう。


 寝て鑑定を使ったら3回使えるようになったことを考えると魔力回復は起きてる時よりも寝てる方がかなり効率が良さそうだ。

 昨日は朝鑑定を3回使ってから、10時間以上は時間経過していたのに、夜に鑑定が1回しか使えなかったことからも起きてる時は魔力回復は遅く、しかも鑑定は結構魔力消費が激しいと考えていいだろう。


「予想よりも鑑定の魔力消費が大きいな」


 さらに、魔力がなくなったのが原因だと思うが、精神的にどっと疲れた感じがする。昨日まではそこまで気にしていなかったが、考え事をしている時だとよく分かるようになった。

 まあ、ブラック企業で鍛えた俺の精神力を前にしてそこまでの疲れではないけどな。前世の方がよっぽどきつかったからね!でも、魔力切れで意識がなくなったり、倒れたりするラノベもあるから、そうじゃなくてほっとしたよ。



 それから3日程、朝は鑑定、午前中に魔力操作、午後は庭を走る修行をこなしていた。


「さて、今日も日課の鑑定をしますか。〈鑑定〉っと」


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名称:机

状態:良い

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「鑑定結果が増えてるぞ、ようやく鑑定レベルが上がったんだな」


 やはり鑑定の熟練度のレベルが上がって表示が増えたと思った方がいいな。思った通りだ。

 最初使えない鑑定が熟練度マックスで優秀スキルへと化けるってことだな。うんうん楽しくなってきたー-!


「今度は自分を〈鑑定〉」


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名前:リオン・スペンダー

年齢:3歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

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「おおー、性別と状態が増えた。今のところ分かってることだらけだけど」


 さらに今日は朝の鑑定でいつもは3回までしか鑑定結果が出ないのに、4回目が出て来たのだ。魔力も順調に増えていっているみたいだな。

 地味にコツコツ努力した結果だろう、素晴らしい結果だ。かなりうれしいぞ。そしてモチベーションがかなり上がってしまった。


 その日の午後、いつものように庭を走る時だ。

 テンションを上げすぎたせいもあってか走ってる時に、魔力を血液のように全身に流しながら走った。

 おそらく身体強化が出来るのではないかと思い、〈身体強化〉と言いながらやってみたら、これが上手くいっていつもよりも走りに力強さを感じた。

 しかし、魔力が全然回復していないからか2秒か3秒程で切れてしまう。

 身体強化もかなり消費魔力が多いのだろうと予想される。魔力が切れるまでは身体強化を使い、残りは普通に走るようにした。ちなみに最近はずっと5周までで留めている。

 物足りなくなったら、走る速度を速めればいいからね。


 そして、さらに1ケ月が過ぎた朝。


「〈鑑定〉〈鑑定〉、おおー」


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名称:机

状態:良い



名前:リオン・スペンダー

年齢:3歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

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 なんと、職業欄が増えていた。しかも鑑定士になってるよ。

 [鑑定の儀]を行ってないけど、職業につけるの?

 しかも前にコウガに聞いた時に鑑定士なんてなかったと思うけど、どういうことだ?まあ、全部分かってる訳じゃないみたいなこと言ってたしな。

 

 それにしても、鑑定士か。なぜ[鑑定の儀]前に職業につけたのかはわからないが、どれにつくかは所持しているスキルや魔法が関係している感じだな。

 俺の持っている魔法は生活魔法のウォッシュとドライ、スキルは鑑定と身体強化の合わせて4つだ。

 生活魔法は誰もが覚えるものと言っていたので、除外してそれ以外だと鑑定が一番レベルの高いスキルとなるから、それに準ずる職業になるって感じかな。

 まあ、予想だけどね。いい線言ってると思うんだけどなぁ。


「アルスを鑑定してみるか、まだ[鑑定の儀]前だが同じように何か職業についてるかもしれない。剣の修行してるから可能性が高いのは剣士かな」


 よし、食事の時にこっそり鑑定してみよう。今日はあと2回鑑定出来るから、アルスとコウガも鑑定してみるか。



 朝食時にアルスを鑑定した結果がこれだ。


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名前:アルス・スペンダー

年齢:5歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:剣士

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 やはり、アルスもすでに職業についているな。思った通りの剣士だ。

 アルスのスキルが何か分かればいいのだが、剣の稽古で何か覚えている様子はなかったが、剣を使っていたから知らずに覚えてる可能性は高いな。

 

 次はコウガを鑑定してみるか。


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名前:コウガ・スペンダー

年齢:30歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:剣士

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 コウガは30歳なのだな。25歳の時の子がアルスか。貴族にしては遅い方だろうな。

 まあ、コウガは王国騎士団の副団長だったからな。忙しかったんだろう。


 あまり人に対して鑑定しないようにしたいところだな。マナー的にはあまりよろしくないと思うしね。

 とはいえ、気になるから使っちゃうんだろうな。まあ、なるべく使わないように気をつけよう。……うん。

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