新たな情報を知る

 うーん、眠い……昨日は鑑定を覚えて興奮して眠れなかったからなぁ。

 寝不足でも魔力は全回復してるはず。早速いろんなものを鑑定していこう。


「〈鑑定〉〈鑑定〉〈鑑定〉……」


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名称:扉

名称:壁

名称:棚

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「ふむふむ、3回までしか鑑定出来ない。魔力切れかなぁ」


 これは鑑定の熟練度上げは結構時間かかりそうだな。まあ、まだ3歳だし焦ることはないけど、こういう地味な努力が大変で大事なんだよなぁ。毎日コツコツやっていこうかな。



 ドアをコンコンと2回ノックする音とともに、


「リオンさまー、起きてるね、おはよう。ご飯だよ」


 メイドのミランダが入ってきた。


「みらさん、おはよう。いまいくよ」


 ちなみにミランダが俺に対して砕けた感じで話しかけてくるのは、俺の並々ならぬ努力の末、勝ち取ったものだ。といっても2人きりの時限定でだが、その時は俺も敬語を使わないようにしている。逆に家族の前ではミランダも俺に対して敬語を使うし、俺も敬語だ。


 2人で食堂まで行く道中、


「部屋の真ん中にいたけど、何してたの?」


 このミランダというメイドは明るくて元気があり、そして少しだけ勘が鋭いのだ。俺が鑑定を覚えたこと気づかれないようにしないとな。


「まりょくそうさのれんしゅうだよ、おきたついでにうぉっしゅとどらいもまいにちしてるよ」


「リオン様はすごいね、毎日練習してるのに、1人の時も練習してるなんて」


 何とかごまかせたようだな。あぶないあぶない。


「こういうのは、まいにちつづけないとじょうたつしないからね」


「えらいね、今度お姉ちゃんがおいしいお菓子を作ってあげよう」


「わーい、うれしいなー」


 ふう、子供のふりをするのも大変だぜ。

 ちなみにミランダは2人きりの時、たまにこうやってお姉ちゃんっぷりを発揮する。

 まあ、俺もかわいい姉が出来るのはうれしいから別に嫌がったりはしないよ。



「おとうさま、おかあさま、おにいさま、おはようございます」


「おはよう」


「リオンちゃん、おはよう」


「リオン、おはよう」


 みんな席についてるので、俺も席に着こう。

 ちなみにミランダは家族が席にそろったら、キッチンへ向かい執事のリカルドと一緒に料理を運んでくる。

 うちの家族は貴族だが普通の貴族とは一味違うので、リカルドとミランダも一緒に食事をしている。

 リカルドとミランダが食事を運び終わり、全員で食べ始める。

 今日の朝食はあまり柔らかくない(固い)パンとサラダ、隣にソーセージのようなもの、それとスープだ。パンは固いがそれ以外は普通においしく食べれるぐらいだ。日本の料理と比べると少し劣るが食べられないって程、味が悪いわけではない。


「りかるどさん、かりてる3さつのほん、よみおわったのであたらしいのください」


 そう、俺は最近本を読ませて貰えるようになったのだ。いや、正確には字を覚えるように言われたのだったな。


「リオン坊ちゃま、もう字を覚えられたのですか?」


「うん、ひととおりおぼえたよ。あとでかくにんしますか?」


「そうですね、食事が終わったら本に書かれていることを教えて頂きましょう」


 よしよし、読めることが分かればもっと本を貸してくれるはずだ。この世界のいろんな知識が手に入るチャンス。フフフ。


「リオンちゃん、こないだ字を教えて貰ったばかりじゃなかった?それなのにもう読めるの?」


「はい、ほんの1さつには、このたいりくのことがかかれていましたよね。まよいのもりのことと、うちのすぺんだーりょうのことも」


「リオンはうちの領地のことまで知っているのか?」


「すぺんだーりょう?」


「アルスちゃんにもまだ教えていないものね、リオンちゃんはどこで知ったの?」


 おっと、やはりこの質問が来たか。予想通りだな。これで字を覚えるのが早すぎるとか本の理解度とかその他色々な事をやりすごせるといいな。


「えっと、おとうさまあてのてがみにすぺんだーはくしゃくあてとかいてあるのを、ちらっとみたので」


 これは本当のことだ。ただし、見たのは1年以上前になるが、嘘ではないので大丈夫なはずだ。


「そうか、伯爵というか爵位についても領地と一緒に教えた方が良さそうだな」


「しゃくい?」


「アルスちゃん、まだ教えてないことだから食事が終わったら、領地や貴族階級についてお勉強しましょうか。もちろんリオンちゃんも一緒にね」


 何と領地のことや貴族のことを教えてくれるらしい。情報がどんどん増えていくぞ。

 そして、朝食後に全員分の紅茶をミランダとリカルドが配り終わり、話し合いが始まった。(ちなみに砂糖や塩、香辛料などは別に高価という訳ではないので、俺は紅茶に砂糖を入れて飲んでいるぞ)

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