幕間 弟は天才
アルス視点
5歳になりお父様に剣の稽古をつけて貰えるようになった。
以前お父様が庭で剣の稽古をしているのを見てかっこよかったから、やってみたいと思っていた。
「アルスも5歳になったから、これから毎日剣の稽古をするぞ」
「はい、お父様」
毎日剣の稽古をすることになった。これは近くの森にいる魔物を倒さないといけないので、その為に稽古するという話だ。
将来、僕も森の中で魔物と戦うために剣の稽古をしてお父様みたいに強くなるぞ。
「おとうさま、ぼくもけんのけいこしたいです」
「リオンもやりたいのか?でも、まだ体が出来てないからやらせるわけにはいかんな、5歳になったら教えてやるからな!」
弟のリオンも剣の稽古をしたいらしい。でも、お父様から5歳になるまではダメだと言われている。
5歳にならないと木剣を貰えないからね。僕は昨日5歳になって木剣をお父様から貰ったのだ。
「わかりました。おかあさまといっしょにおにいさまのけんのけいこをみてますね。そのあとに、にわをはしってもいいですか?」
「なんだリオンは体を動かしたいのか?将来有望だな!走るぐらいだったらいいぞ!」
リオンは剣の稽古は諦めたのに、代わりに庭を走りたいといいだした。
それをお父様は許可している。
リオンは体を動かしたいんだな。僕もそういう時あるからね。
それから、木剣の持ち方から始まり、上段からの振り下ろしを何度も何度も練習した。
1時間程だろうか、素振りをしているとお父様から今日はここまでにしようと言われ今日の稽古は終了となった。
額には汗が出ており、腕はすこし重いように感じる。
汗を流すためにお風呂に入る事にした。
お風呂までもうすぐというところで、メイドのミランダさんに会い汗がすごいので、魔法のウォッシュとドライを使ってきれいにして貰った。
きれいにはなったが、お風呂に入ると疲れが取れるということを聞いたことがあったので、そのままお風呂に入ることにした。
お風呂から出てみたら、明日魔法の勉強をリオンと一緒にすることになった。
次の日、朝食後に魔法の勉強会が始まった。
普通は5歳から魔法の練習をするらしいがリオンがやりたいと言ったら僕と一緒に練習することになった。
魔法には誰でも使えるものとそうでないものがあるとのことだった。
誰でも使えるのは生活魔法とのことだ。
生活魔法のウォッシュとドライは、汚れた時にお母様やミランダさんが使ってくれていた。
さらにそれ以外の魔法が使えるかは10歳になった時に[鑑定の儀]で判断するらしい。
詳しく聞いてみると、[鑑定の儀]は職業やステータス、スキルや魔法が分かるようになるようだ。
リオンが職業の種類を聞いていたが、僕には剣士と魔法使い以外はよく分からなかった。
その中で魔法を使えるのが魔法使いともう1つ何かあるみたいだ。
ただ、剣士でも稀に使える人がいるそうだ。
そして、お父様は剣士で魔法も使えるとのことだった。
お父様、すごいです。
それから、攻撃魔法の属性は6種類、これは前教えて貰った曜日と一致していて火、水、風、土、光、闇となっている。
それ以外に回復魔法と生活魔法がある。
そして今回は基本魔法と呼ばれている生活魔法を教えて貰えるとのことだ。
魔法を使う為にはまず魔力操作を覚えないといけないとのことだ。
お父様に手伝って貰って、魔力が体を流れる感覚を覚えていった。
僕とリオンは感覚を覚えて1日目で少しだが、自分で魔力を流せるようになった。
リオンと僕はかなり才能があると言われたので、僕はすごく嬉しくなった。
1週間程、魔力操作の練習をした。
今日からウォッシュを練習するようだ。
ウォッシュは服やタオルなどを洗ってきれいにする魔法とのこと。
お父様が僕の魔力を使ってウォッシュを教えてくれた。
それから何回か自分でやってみたが、ウォッシュは出来なかった。うーん、難しい。
リオンがお母様に教えて貰っていた。
そして、1回目からリオンはウォッシュが出来たのだ。
すごい、同じように教えられたはずなのにリオンは1回で成功させてしまった。
どうして出来たか気になったので、どうやってやったか聞いてみた。
はじめて同士だから何かコツが聞けるかもしれない。
「おにいさま、みずをつよくいめーじしながらためしてください。ぼくはそれでできました」
「水を強くイメージ……分かった。やってみるよ。〈ウォッシュ〉」
手に魔力を集めて、水を強くイメージした。
そしたら今度は上手くウォッシュが出来た。
リオンに言われた通り水を強くイメージしただけで出来てしまった。
魔法はイメージが大事なのかもしれない。
リオンはよくすぐに出来たなと思った。
魔力操作の時も才能があると言われていたし、今回も教えられて1回目でウォッシュが出来ていた。
弟のリオンは本当に天才なのだと思い、僕も負けてられないと思った。
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