第11話 やはり店の店主はOL様達が苦手のようです(6)

「えっ! いや、あの、あっ、はははっ」


 う~ん、でも翔太はあの通り。この通り。


 と言うか?


 翔太自身が吐き気、嘔吐、動悸、眩暈、息切れ……。自身の心臓がバクバクするような感じ、錯覚を起こすパニック障害の方が出ずに。


 只彼は自身の顔を強張らせ、引き攣らせながら自身の頭、後頭部に手を当てながら笑い誤魔化すだけなのだよ。


 だからもしかしてこれは?


 神さま、女神さま、御神体さまのお陰なのだろうか? と思いながら四人の様子を窺っていると。


「亭主、ならん。ならんぞ。わらわ以外の女子おなごに嫁に来い。来てくれと言ってはならん。ならんぞ」と。


 何故かお稲荷さまが自身の雪のような真っ白い頬や耳を真っ赤にさせながら呻るように。


 そう、自分以外の女性に婚姻の申し込みをしてはならぬと女神さまは嫉妬心をあらわにしながら不満を漏らすから。


 翔太の瞼が大きく開いて「えっ!」と驚嘆が漏れれば。


「もう奥さんは冗談、冗談ですよ。誰も御主人を盗る。盗んだりしませんよ。ねっ?」

「うん、そうそう、奥さんのいる時は盗りません。盗みませんよ。でも可愛い奥さんがいない時ならば女怪盗になってイケメンの旦那さんのハートをギュッと鷲掴みして奪い。連れて逃げるかも。うっ、ふふふっ」と。


 翔太のことを妙に気に入ったOLのお姉さんが妖艶な笑みを浮かべながらお稲荷さまへと呟けば。


 もう一人のOLのお姉さんの方も。


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