第7話 緊急連絡

 健吾「でも、なんでこの8人なんですか?」

 社長「だからさっきも言っただろって、殆どの人が伸び悩んでる」

 健吾「それはわかりました、でも、この会社には他にも伸び悩んでる人はたくさんいるでしょう?」

 社長「確かにいるな、でもな、誰でもいいってわけじゃない。この8人は組み合わせがいいと思ったからこの8人にしたんだ」

 健吾「組み合わせが良いって…ほんっとに社長の主観じゃないですか」

 社長「まぁ…そう言われればそうだよとしか言えないなぁ…」

 健吾「でも俺は、この提案には賛成です。確かに俺は最近伸び悩んでるし、もしこの提案で返り咲けるなら返り咲きたい。それで、もう一度あの夢を叶えたい!」

 社長「そうだ、健吾には...夢があったね!」

 健吾「そう!この安倍健吾には夢があるぅぅぅぅ!」

 場の空気は静まる。

 純介「え...えっと...俺もさんs...」

 黒服の男「社長!緊急連絡です!」

 社長「どうした?そんなに焦って!我が秘書よ!」

 秘書「斉藤紬さんが...日比谷線の北千住駅で線路に落ちて、そのまま電車に轢かれて死亡しました!」

 一同「なっ...」

 その場にいた社長を含む8人に衝撃が走った。

 社長「なんだって?このグループはなら、7人で行かなければならないと言うことかい?」

 秘書は静かに頷く。そして、俺の方をちらりと見る。

 秘書「医師からも死亡と判断されています...もう...」

 健吾「待ってください!紬もこのグループに入る予定だったんですか?」

 社長「あぁ...そうだよ...ここにいる7人と同じグループに入るはずだった...」

 健吾「そうですか...」

 社長「人数が早速減ってしまったが...他のみんなはどうだい?賛成するかい?」

 稜「俺は、賛成する」

 栄「えっ?稜も賛成するの?じゃあ俺もいいかなぁ…」

 社長「純介君は...どうだい?それと、女子の方も...」

 俺は返事をしない。この状況、どうすればいいんだ。

 梨央「私は…やってみてもいいかなって思ってます。いい経験になるだろうし!」

 美緒「私もやってみたいわ、実力を試したいというか」

 社長「智恵君と...純介君は...どうだい?」

 このグループの提案が無ければ、紬さんは死ぬはずなかった。きっと、俺らと同年代の方で、まだまだ未来もあるはずなのだ。それなのに、それなのに

 智恵「…わかりました、やります」

 社長「本当かい!?いやぁ、安心したよぉ」

 智恵「別に、やりたくてやるわけじゃないですから」

 社長「純介君は...どうだい?残るは君一人だけど...」

 純介「俺はこの提案を拒否する!」

 社長「なっ...どうしてだい?」

 純介「斉藤紬さんを助けに行くからだ!」

 社長「そうか...なら、頑張って欲しい!」

 ***

 グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。

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