第6話 制止
純介はまたまた電車に乗って本社に移動する。同じアナウンスを見た。
ー午後3時、面会室ー
栄「え?本当に俺らでグループ組むんですか!そもそも顔見知りですらないんですけど!」
社長「だから、メールでそう伝えたじゃないかぁ、君たち8人でグループを組んでこれから活動していってほしい」
栄「8人って...今ここに7人しかいませんよ?」
社長「あと1人は遅れてくるって。このあとのミーティングにはくるから大丈夫だよ」
智恵「とにかく、私は嫌です。一人でも十分稼げてます。今からグループになる必要なんてないと思いますよ?」
健吾「俺もそう思います、それに、一人ひとり目指してるところが違うじゃないですか。俺は自分のやりたいことをやりたいです」
社長「いや、別にこの提案は拒否してくれても構わないんだよ?だけどね、拒否したらこの会社との契約を切らせてもらうからね?それでもいいなら拒否していいんだよ?」
美緒「それ、強引すぎませんか?いくら社長っていっても権力乱用していいわけじゃないんですよ」
梨央「そうですよ!」
社長「そんなこと言われてもなぁ、呼ばれた8人の中でほとんどの人が伸び悩んでる!」
稜「伸び悩んでるって。事実ですけど流石にひどすぎません?」
社長「あぁ、確かにそうだな。申し訳ない」
純介「申し訳ないって、軽すぎません?」
健吾「ほんとそうっすよ」
社長「本当に悪かったと思ってる」
ここまではニ周目と同じだ。気づけば、このループも、もう5回目だ。
純介「そうですか。ならよかったですー」
社長「そんなに怒らないでくれよぉ…」
純介「はぁ...わかりました...」
社長「7月中にMVを作って欲しいんだよ。音楽、映像まで全部含めてね!」
栄「は!?今日何日かわかってます!?」
社長「今日は...7月1日だろう?」
栄「そういうことじゃないです!会ったばかりの俺らで!1ヶ月でMV作るなんて無理ですよ!」
健吾「俺も流石に無理あると思います」
梨央「1ヶ月って…時間が短すぎます。やるからには全力で完成度の高いものを作りたいです」
美緒「私も。配信者としてのプライドが許さないわ」
社長「あーはいはいわかったからー、とりあえずやってみて?」
智恵「なんですかこのテキトーな感じ。私達はあなたの下僕ではないんですよ!それ...」
純介「じゃあ、誰が音楽を担当するんですか?」
智恵と社長の間に無理やり入って会話を続ける。
社長「おぉ、純介くん乗り気だねぇ〜、音楽はもちろん純介くん、キミが担当になるだろう」
純介「なるほど。他の役割はどうなるんですか?MV一つでも色んな人の協力が必要です。それに、スタジオなどはどうするんですか?お金もそれなりに必要になるはずですよ」
美緒「そうじゃない、お金はどうするの?一方的な提案なんだから、出す気にはなれないわよ!」
社長「お金はもちろんこちらから出すよ。君たちはMVづくりに専念してくれればいい」
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