『詩粥』【詩】【5700編目】

片喰藤火

『詩粥』【詩】【5700編目】


詩粥


俗世の病に罹患して

床に臥す人が数え切れません


心を癒す言葉すら

呑み込めぬほど病んでおられる


言葉の意味を煮詰めて

白く曖昧にして差し上げましょう


舌を火傷なさりませぬよう

そっとお啜りなさりませ


ひと匙を尊ぶように

ひと匙を慈しむように


つらいと仰せられますか

苦しいと仰せられますか


あなたはお強う御座います

決して弱くは御座いません


この世の美しい言葉を

早く紡げますよう

病が良くなりますよう

詩の粥を作りお祈り申し上げます



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『詩粥』【詩】【5700編目】 片喰藤火 @touka_katabami

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