第20話 虜囚
◇◇◇
特殊攻撃船
「くっ、部下二人失って予定した半分しか獲物を持ち帰れなかった。これは、下手したら降格処分で済まないかもな?」
俺は帰巣本能に引きずられなんとか”船”に辿り着き、精神安定剤のアンプルを打ち込まれ人間に戻った。その後正気を取り戻し船長への報告を行ったのだった。
「まあゲイン、そう気を落とすな。思ってた以上に獲物が手強かったってことだ。その分実入りも良くなるだろうさ。二人の損失は気の毒だが、俺たちの稼業じゃよくあることだ」
「ああ、あの手品師の女にはいつかこの借りを返してやるぜ」
俺は、睡眠薬で眠らせてある獲物を睨みながらあの手品師を捉えたときのことに思いを馳せながらしばしの仮眠をとった。
◇◇◇
惑星ドルーン首都ゾルーン ベアタッカー本部
またもボスとご対面か、流石に二度目となると度胸が付いてきたのかそれほど緊張もしないが俺は獲物と二人でボスの登場を待っていた。
ボスは漆黒のドレスで現れた、今回の作戦で犠牲になった者に対する配慮だろうか?
「攻撃隊月光の雫二班長ゲイン、よく戻りました。二人の尊い犠牲に、感謝を捧げましょう・・・ ・・・
本来ならそなたらはシアー共和国海軍の精鋭部隊、当然英霊には国葬で報いるのが礼儀ではあるが。許せ、我が国は先の戦争に敗れ列強に睨まれ弱体しておる。公式には存在せぬ
ほう、それが例の獲物ですか。残念ながら助手の女しか捕らえられなかったと聞きましたが、初心そうで、なかなかそそりますのね。
どうだ、私専用の奴隷として仕えぬか?悪い様にはしないぞ、たっぷり可愛がってあげるわ」
王女、いやボスは俺の横で跪いている女に近づき顎に手を当て上向かせると妖しく微笑んだ。
「い、いや!」
獲物、たしかサマンサと言ったかがボスの親愛の情を拒絶した。
「ほう。ゲイン、この者を三日預ける。其方の好きなように嬲って良いぞ。ただし、犠牲者の家族への補填のため子供は全てこちらに引き渡すのだ。若くして散った者たちへの供養だ。存分にそちの精を吐き出すのだ」
「こ、こんなことをしても私は屈しません」
「別に構わぬぞ、奴隷がそもそも何ほどの抵抗ができようか?面白い冗談を聞いたぞ」
ボスが保管容器から取り出した奴隷の首輪を奴隷女に嵌めた。これでサマンサとかいう女は主人に逆らえない奴隷になったのだ。
◇◇◇
奴隷商人の館
俺はボスの命令により、三日間捕獲してきた奴隷女の調教をする羽目になった。おまけに子作りして献上するノルマまで与えられた。実に面倒くさい、だがボス直々の命令をぞんざいに扱う訳にいかなかったので有名な奴隷商人を頼ることにしたのだ。
「ゲイン殿、お待たせしました。こちらに控えるのがうちの調教師の中で一番腕のいい者で名をピエールと申します。ピエール、ゲイン殿のお手伝いをするのだぞ」「はい、旦那様。ゲイン様、よろしくお願いいたします」
奴隷商人から紹介された一番の調教師ピエールの首にも奴隷の首輪が嵌っていた。財産である大事な奴隷を扱う上で主人の命令に逆らえない奴隷身分の調教師は商人にとって重宝するのだろう。
「ゲイン様、調教室にご案内します。既にお連れの奴隷は部屋で待たせていますので、どうぞこちらです」
俺は奴隷調教師のピエールの案内で地下にある、分厚い扉の部屋に入った。中には鉄の鎖で両手を天井から吊られた奴隷女が下着姿で待っていた。
ここで俺は、奴隷女を教材に使って様々な道具の使い方を覚えた。
「鞭には二種類あります。派手な音がするが大して痛くない鞭と中に鋼線が仕込まれた皮膚を切り刻み痛めつけるための鞭です。まあ、この奴隷は若いので少々痛めつけてもすぐ直りますよ。
では、やって見せますので覚えて下さい」
ピエールが、自在に鞭で奴隷女から悲鳴を湧き出させる。別の鞭に変えるとくぐもった悲鳴と汗に混じって血しぶきが舞った。
「痛い、いやー」
「では、ゲイン様やってみてください。調教の目的は、奴隷の立場を解らせることです」
俺は言われたように、鞭を揮った。奴隷の悲鳴と汗と血が華のように舞う様に一瞬だが滅びの美を感じた様な気がした。
「では、これを水と一緒に呑ませてください」
俺が水を持っていくと、苦痛と疲労にぐったりしていた奴隷女は喉を鳴らせて薬ごと呑んだ。
「ところで、これはなんの薬だ?」
「そうですね、子宝に恵まれやすい薬ですぜ。三日も掛ければ、大丈夫ちゃんとできますぜ」
俺は呆れた顔をしながら、今日のノルマを果たすべく奴隷女をベッドへ運ぶと一気に圧し掛かった。
「あ、ああ ・・・ ・・・」
こうして、損失補填のためのノルマを三日掛けてなんとか達成できて俺はホットした気持ちで奴隷商人の館から自室に帰った。
生まれた子供と、奴隷女については後でボスのところに届けてくれる手はずだ。それにしても、三日で三人のノルマ達成は凄いと奴隷商人にも褒められたよ。
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