Uni
キザなRye
全編
「美樹、将来どうしたいんだ」
お父さんが少し強い口調で聞いてくる。私は高校を卒業した後のことについてまだ何も決めていなかった。進学するのか就職するのか、そこから決める必要があった。自分が将来何をしたいのか、本人である私が分かっていない。私が私自身をきちんと理解できていないのは大きいと思う。
「お父さん、そんなに強く言わなくても良いじゃない」
「俺は美樹のために言ってるんだ」
私のことで両親が言い合っているのを見ると私の肩身が狭くなる。私が将来を見つけられればこういうことはなくなるのだと考えれば早く決めたいと思う。
私の友達の多くは高校卒業後の将来を決めていた。専門学校に行く人もいれば四年制大学や短期大学に行く人もいるし就職するという人もいる。それぞれの人にはやりたいことがあってその進路を選択していた。私の友達のどんな理由でどんな選択をしたのかという情報を私に置き換えて自分の将来についてをきちんと見つめ直した。
世間的に大学は“人生の夏休み”とも言われているが、大学入学したときに将来なりたい者が決まっている人は多くないという。そして大学で日々を過ごしていくうちに何かしらのやりたいことを見つける人が多いらしい。大学に行ったからといって自分のやりたいことが見つかるわけではない。そこは自分の努力次第だ。
私は周りから話を聞いたり、自分なりに調べたりして両親が許可してくれるのであれば大学に行きたいと思う。まだ私が何になりたいのかは自分自身でも分かっていないが、大学生として色々なことに挑戦して“自分”を探したいと思う。
「お父さん、お母さん。相談があるんだけど……」
私は両親に真剣な顔で話を切り出した。私が話し出すと二人はちゃんと私の方を見て話を聞いてくれた。
「どうしたの」
「私の将来についてなんだけど……」
「うん」
「大学に行こうと思う」
「大学に行くことに決めたのか!」
「お母さんたちは美樹が決めた道を応援したいと思ってるからね」
「まだ私自身も将来何になりたいかは分かっていないんだけどもそれを探すためにも大学という選択肢はありかなって思っている」
家によってはやりたいことを探すために大学に進学することをあまり良しとはしないところもあると聞くのでこれを言うのは少し緊張した。それに対してお父さんは
「大学は今まで見てきたものとは違った景色が見えると思うから色々吸収して成長して欲しいなと思う」
と前向きなことを言ってくれた。
私はその後、一生懸命勉強をして世間でも有名な大学に入ることが出来た。これから私自身についてをきちんと知って自分の将来を決めたいと思う。私の人生はここからである。
Uni キザなRye @yosukew1616
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