第27話 sideQ きゅうちゃんのはなし。

話はボクが子供の頃から遡る。

「小児殺の子か。これから大変だぞ」

「この子には悪いけど……こうするしかないわね……ごめんね」

しかし、親の意向とは裏腹に、ピンクのロンパースを着せられた僕は、女の子みたいだと身内では好評だった。

小児殺とは九星気学の運勢で生まれてから7つになるまで病気をしたり骨を折ったりと、いろいろと大変な運勢になること。

僕はよくわからないけど、生まれつき心臓の壁に穴が開いていたらしい。

子供の時に大手術をしたが、余命9年の診断を受けた。

その時、占い師だった父と母は苦肉の策でボクに女の子の服を着せ、死神を騙すというまじないをかけた。

普通の男の子なら嫌がる所業だが、幸か不幸か……ボクはすごく嬉しかった。

元々ピンクやレースなど女の子のものが好きだったみたい。

でも、幼稚園の時……


「よーじくん、私よりかわいいからきらい!」

やよいちゃんに強く胸を押されて尻餅をつく。

「なんで?やよいちゃん。いっしょにおままごとしてたじゃん!それじゃダメなの?」

「ママの役が2人いるの気持ち悪い!よーじくん、男の子のくせに女の子のカッコしてるの、へんだよ!」

実は、やよいちゃんのことが好きだったから、少し……いや、かなり辛かった。

これが初めての失恋だった。




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