第26話

「ずっと一緒?」

「うん」

「見捨てたりしない?」

「うん。ずっと一緒」

心の中がポワッと温かくなる。

たぶんこのひとはどこにも行かないんだろうなって思う。

お互い、おじいちゃんおばあちゃんになっても、ずっと離れない気がする。

きっと……きゅうちゃんは可愛く歳を重ねていくんだろうなって思う。

その隣には、私がいて。

2人で縁側に座って、熱い番茶とか飲んで空を見上げているような。

そんなほっこりした未来を想像した。

「キス、しよ」

「うん」

軽く触れるだけのキスをする。

「おまじないだよ。ボクとつきちゃんの絆が永遠に続くっていう」

薄暗いカラオケボックスの中。

うっすらと他の人の歌声を聞きながら、お互いの存在を確認するように、おでこをくっつけた。



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