第7話 東側、西側
「月子ちゃん」
「きゅうちゃん、どした?」
「ここ、なんでラーメンスープにお豆腐入れるようになったか知ってる?」
「わかんない」
「ここ、仕事帰りのキャバ嬢さんたちが夜食を食べる用のお店らしいの」
「へー」
「でね、あの子たちは見た目の管理とかするのも仕事じゃん? で、夜中にラーメンよりお豆腐の方がカロリー低いし、その時間帯に食うことの罪悪感がないって理由らしいよ。それに……」
「それに?」
「お豆腐だと、胸、おっきくなるみたいだしね」
きゅうちゃんはニヤァ……と笑って自分のまな板のようなおっぱいを触る。
「もう!きゅうちゃんったら!」
あ。この子……女の子好きなのかな?
「でも、なんでそんなこと知ってたの?」
「サイトに載ってたことの受け売り」
「なんだー。もー」
2人して、カラカラと大口を開けて笑う。
楽しいな。こんな時間が続けばいいのに。
胸がいっぱいになるところを、ラーメンスープで流し込む。きゅうちゃんもスープをチュッと吸い込む。
「やっぱり、こういうのはお行儀悪く食べるのが美味しいね」
熱いものを食べたせいか、顔がほんのりピンクに染まり口元がぬらぬらと艶めいて、なんとも色っぽい。
人が物を食べてるだけなのになんでこうも色気を感じてしまうのか……
全部食べた後お会計して、2人は別の方向に歩いて行った。
きゅうちゃんは東側。私は西側に。
ひとりで歩いていると、彼女のことが気になった。
あんな可愛い子が夜に外を出歩いて大丈夫かな?
暴漢とかにおそわれないかな?
途端に心配になってきた。
グループLINEはなぜかしりとりで盛り上がっている。
とりあえそれに参加しながら家に帰る。
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