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「何だよ、俺に参加して欲しく無いのか?」

ゴウタが少し睨みながら言った。

「うん、まあ、ストレートに言えば、そう言う事だ。」

「何でだよー?」

と言ったところで、ようやくゴウタもピンと来たらしい。


「ふぅーん、組み合わせに不満があるんだな。

だが、『田口ひなこ』ちゃんも、可愛いんだぞ。

『北原かのん』ちゃんに比べると、少し見劣りするけどな。」

ゴウタは、俺がひなこちゃんに不満があると思ったらしいが、そっちじゃない・・・。

えっ?

ゴウタも、かのんちゃん狙いか!


ゴウタと別れると、急いで、近所のお寺までお参りに行った。

「どうか、『北原かのん』ちゃんと一緒に、肝試しを回れますように。」

お賽銭も、しっかりと500円も入れ、念入りにお願いした。

受験の時の神頼みより、ハッキリ言って高額だ。


肝試し当日、集合時間の10分前に、お寺の境内に行った。

しかし、誰も居ない。。。

えっ、ひょっとして、ドッキリか、悪戯か?

そんな事を思っていると、かのんちゃんが来た。

「あっ、こんばんは。

リュウスケさんですよね。」

「ああ。

かのんちゃん、だね。」

出来るだけ笑顔を作って言ったつもりだったが、かのんちゃんの顔は引きつっていた。


「えー、まだ、誰も来てないんですか。」

かのんちゃんが、困った顔で言った。

「ちょっと待ってね。

連絡してみるから。」

そう言って、ゴウタに電話した。


「いやぁー、悪いなぁ。

急に、母親から用事を言いつけられて、行けなくなった。」

「何だよそれ。

用事頼まれても、無視するんじゃ無かったのかよ。」

「いや、まあ、あれは言葉のあやみたいなもんだ。」

「じゃあ、他の連中も来ないのか?」

「ああ、みんな、やっぱり止めるってさ。」

「俺は良いけど、かのんちゃんは?」

「かのんちゃんには、1年の男子が連絡してる筈だぜ。」

「俺だけ、連絡して無かったのか!!」

「いやぁー、悪い、すっかり忘れっ。。。」

全てを聞き終える前に、電話を切った。


チラリと横を見ると、かなり引きつった顔の、かのんちゃんが居た。

「どうやら、肝試しは中止するって。

それで、かのんちゃんへは、1年男子が連絡しているらしいんだけど。」

かのんちゃんの顔色を見ながら言った。

「えっ、連絡くれたの?」

そう言って、かのんちゃんは、スマホを見た。

「あーっ、この番号、それだったんだ。

知らない番号だったから、無視してた。」

かのんちゃんは、少し青い顔をして言った。

しかし、かのんちゃんには悪いが、俺はこころの中で、

『かのんちゃん、グッジョブ!!』

と叫んでいた。


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