第6話 何気ない日常は
その日から瑠花と春翔、咲希と悠也とで出掛ける事が増えていった。年上で上司でもある悠也とも気が付けば打ち解け合い、瑠花と咲希が楽しそうに過ごしているのを春翔と悠也は愛おしく見つめ笑い合った。
春翔が悠也に話す瑠花への愚痴も悠也が春翔に話す咲希への不満も二人には男同士の特別な時間になっていった。春翔は彼女との相談や仕事の相談、将来の事を悠也には話す様になっていた。
世間は夏休みを迎え、原宿も若者でより一層に賑わっていた。春翔と瑠花の働く店も連日忙しく人手を必要としていた。
そんなある日のこと。
春翔の店舗に他店から悠也がヘルプで手伝いに来る事となった。
悠也と咲希が働く店は春翔と瑠花の働く店から歩いて10分の場所にあった為、社員の悠也は多忙時には手伝いで顔を出す様になった。
社員とは言っても悠也は春翔の店でのマニュアルを1度は学ぶ必要があり、その役目を春翔に指名した。
上司でもあり、部下であり、年上であり、親友でもある互いの関係は心地よく忙しい時間が嘘の様に楽しかった。
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