第5話 近づく距離

並んでこちらに向かってくる咲希と悠也の距離感は初々しさを伝えていた。


咲希とは別々に行動する筈だったのだが、咲希の「2人にしないで」という訴えを視線で感じ、瑠花と春翔は目を合わせ苦笑いをした。


悠也は咲希のバイト先に配属された社員だった。つまり姉妹店である春翔と瑠花にとっても上司にあたる。それを聞いて瑠花と春翔まで気まずくなった。



悠也は印象とは違って調子者だった。

2歳年上ということもあり彼なりに場を盛り上げようとしていたのかもしれない。

おかげで気付けば瑠花も春翔も自然と打ち解けていた。



自然と咲希と悠也の距離も縮まって

時々触れる2人の空気感に瑠花は優しく微笑んでいた。


春翔は本当に心から瑠花が好きだった。

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