14 依存からの告白

『精神の支えの人』が居なくなったからか、私はどんどん怜吾に依存していった。どんなときも一緒にいる。みんなには仲の良い姉弟だと思われているし、お互いもそう思っている、いやそう思い込ませている。封じ込めたいから。それでも離れられない。


 今日もいつもどおり私の部屋に来てもらっている。そこでも甘えたくなるし、お義母さんのこともフラッシュバックして不安になってしまう。

「居なくならないで…」

 そう涙目で言う私をそっと抱きしめてくれる。

「絶対居なくなんねぇから落ち着け」

 と言って安心させるようにぽんぽんと頭を撫でてくれる。

「怜吾はさ、私の事どう思ってるの?大事な大事な姉とか?」

「どうだろ、よくわからないけど」

 ふと思った。私の事をどう思っているのだろうか、怜吾は。私は_______恋愛的に好きだけどさ。


 衝撃的な答えが帰って来た。


「あんさ、こんな事言うのあれだけど、そゆこと聞くのって俺のこと好きなの?」

「はっっっ?」

「え…?」

 いやいやいやいやそれはないでしょうよ!…私は好きだし。そんなことを聞いたら照れちゃうでしょうよ!赤くなった顔を隠してそっと怜吾の方を見る。____すると同じように顔を赤くして俯いている怜吾の顔があった。

「私は、す、好きかも…いやごめん!そんなの迷惑、「俺は___好きだけど?夏帆のこと」

 は……。私の言葉を遮るように言った怜吾はもっと衝撃的な事を言った。__ちょっと否定してほしかったかもな。姉弟、なんだからね。『交際』なんてできないよ…。

「姉弟なんだから無理、とか思ってるでしょ」

 悪戯っぽく微笑む怜吾はやっぱり私の思っている事を当てる。またそれも眉目秀麗で様になる。また見惚れてしまっていると、

「秘密のお付き合いならいいでしょ?」

 そう言ってゆっくりと近づいてきたと思うと、私を姫抱きし、ベットへと向かった。高校一年の夏だった。

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弟は恋人 @kahonosyousetu

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