2 突然の
私が、彗河玲吾と結び付くことになったのは、夏休みが終わる一週間前。
親はけっこう自由奔放で前も突然旅行をするとか言い出したことがあった。今回も急に言われた。
「夏帆ー冬羽ー話があるのー!!はやく来てちょうだい!!」
私、泉夏帆と妹の冬羽は突然呼び出された。またあの急に来るサプライズ旅行計画でしょ?と心の中で思いつつ、「なに?」と聞く。そうすると、急に神妙な顔になり
「あのね、私達離婚するの」
と言った。
「はぁっ?」
これは、父母の突然の告白にもあまり驚かなくなっていた頃だったが、思わず声を出してしまった。まぁ多分当然の反応だと思う。
「どうして急に離婚って…」
妹の冬羽は心にあらずという感じだ。この私の家族がバラバラになってしまう予感がした。直感だけど…
「急でごめんな、再婚もするんだ。」
申し訳無さそうに言う父親。私は再婚もすんのかよ!と言いたくなった。さっき思ったことが当たったようだ。
「玲吾くんのお父さんと再婚するのよ」
「俺は玲吾くんのお母さんと再婚」
しかも、同じマンションで同クラの玲吾のお母さんと再婚?!どういう事になったのか…?!玲吾は知っているのか?両家合わせて5人子供がいるはずだが大丈夫なのか?疑問と不安が駆け巡る。
「じゃあ早速だけど挨拶しに行こっか。駅前のファミレスに行くよ。」
「う、ん」
マジかよ、急すぎだろ。
私達は母親も父親も大好きだった。仲良し夫婦だと思っていた。お互いの誕生日にはプレゼントを用意し、結婚記念日を一度も忘れず外食をしていたというのに…。でもいつのまにか知らない所で埃が積もっていっていたんだろう。
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