弟は恋人
縁
再婚
1 Prologue
「絶対離れないで、大好きだから、愛してるから」
"義理の姉"の泉夏帆にこう言われた瞬間から俺は夏帆に、全てを尽くすことにした。
自分の人生ので、こんなにも喜び、虚しさ、そして愉楽を感じたことはなかった。色々な感情が入り交じり、興奮した。そしてこれからもないだろうと、直感が言った。
『家族』それは深い縛り付きであり、同時に心の在り処でもあるのだ。例えば、『家族』だから色々な事を負担し、共有しなければならない。またしかし、どんな困難に陥っても、『家族』のみんなに救われる。それは、どんな親友や恋人でも、埋められないものなのだ。俺はそう考える。私俺にとって夏帆は世界一大切な『家族』で、世界一大切な『恋人』だ。
「なんで…なんでお前が…!!」
俺はこの目の前の女に微笑みかけ、精一杯の虚勢をした。そして、俺は女に話しかけた。
「俺と夏帆は、一生解けない縛りで結ばれている。だから貴方には間にすら立たせてもらえない。俺はもうとっくに狂っているんだよ…?だから、お前の言うことは聞けない」
すると女は顔を歪める。本心では、きっと俺が憎くて憎くてたまらない。まさに殺したいくらいに。それでも殺さないこの女はもっと俺と夏帆の話を聞きたいんだろう。女は涙声で「意味わからないわ…"ヒーロー"なんて…」と言う。
「俺は夏帆をずっと守っているんだよ」
女は答えが気に入らなかったのか、不服そうな顔をして殴りかかった。
「家族…それは縛りだ」
そう呟いて、意識は途切れた。
これは、いかに『家族』というものが強く深く縛られていくのかの物語だ。
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