3 顔合わせ

「え、っとこんにちは?」

会ったことあるはずなのになぜか疑問形で言ってしまった。

「夏帆ちゃんは緊張しなくていいのよ」

優しく声をかけてくれたこの人は玲吾のお母さんだ。マジで再婚するのか。ドッキリだと願ってたのになー。てかこの空気やだ!!みんな緊張してるのかピリピリしている。秀吾くんなんかあきらかに不機嫌だし。あ、秀吾くんは玲吾の兄。

「さっき聞いたばっかりだしさ、意味わかんねーよ」

マジで秀吾くんそれな。意味わからなすぎる!!!!彗河家も急だったんだな…。本当にここに居る大人おかしいと思う。

「ねぇはやく帰りたいんだけど」

妹の冬羽が言う。続いて、玲吾と秀吾くんの妹、鈴も苦言を呈した。

「みんな会ったことあるんだしね〜。」

確かに…こんな改まって会う必要性なんてないと思う。まあ理由があるんだろうな。

「違うんだ。今日は誰のほうに着いていくのか決めようと思ってな。」

はぁ、そういうことね。どうしよう?こんな急に言う親だけど、ご飯美味しいし、優しいし、正直どっちでもいいんだよなー。

「俺さー、父さんたちと暮らしたくない。」

え、秀吾くん!?どういうこと?一人暮らし?

「ここに居る子供全員で住むの。俺はもう高一だし、玲吾も夏帆ちゃんも中二だろ?生きていける。それで父さん達は家でイチャイチャしてろ!!」

めちゃめちゃ皮肉るじゃん。でもいいかも知れない。秀吾くんに便乗しよう!!!

「私も賛成。親権とかはテキトーでいいからさー。ママ達は二個家を持ってるみたいな感じにすればよさそー。」

とりあえず私は意見を言った。どうか親達、許可してくれ!!

「まあいいかもしれないね。」

パパ…!!!

「でも心配よねぇ」

うっ、やばいか…?

「まあ大丈夫そうだと思うけどね…。」

玲吾のお父さん!ありがとうございます!!

「そうね、子供たちだけで住むことを認めましょう。細かい所は大人達で決めておくわね」

「「「「「やったーーーーー!!!!!!!」」」」」

子供たちみんなの声が揃った。

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