第3話 X(テン)プレートってなんやねん

「なーそろそろ俺も異世界行っていいんじゃないのか?」


≪へえ?乗り気じゃなかったのに珍しい≫


「そりゃあ…よお。心配してくれる子がいるんだからよ…」


クラスの中で唯一真剣に心配してくれているのが水城美鈴だ。

栢木も心配しているていは見せてはいるがあれは外面だけだ。

治水たちに虐められている時、アイツは一度も助けようとはしておらず

自身のクラスへのイメージアップだけを考えているエセ野郎。ある意味治水より陰湿だ。


≪でも一つ忠告があります。君が元の世界に自由に帰れても他のみんなを連れては帰れません≫


「わかっている。出来るならとっくに連れて帰っているよ。でも何でだ?神様なんだろ?」


≪神だからこそです。人間、特にクライウォアという異世界の神である私は人間に素性を知られてはならない禁則があるのです。神様って結構不自由なのですよ。力があるからこそ自由に使ってはいけないのです≫


「珍しく神らしいこと言ってるな」


≪神ですよ!??まったく…ぷんぷん≫

クライウォア。それがクラスのみんなが連れてこられた異世界の名前

そして俺も向かうべき場所でもある。


「カラマネ。クラスのみんなの近くに転移は出来ないのか?」


≪出来ませんね神の余波を感じる範囲では人間に察知されてしまいます。

そもそもなぜ私が貴方だけを異世界人による転移の候補から外したと思います?≫


意味深な言い回しで問いかけるカラマネだがそんなことは決まっている


「? そりゃ主役である俺が異世界行かなかったら物語始まらないからだろ?」


X(テン)プレートなんて意味深であり意味なさそうにテキトーにつけたタイトルの小説が始まらないからだ。これは脳死必須の小説だぜ?


≪それもありますがイレギュラー要素が必要なのですよ。一人だけにチートスキルを与え魔王を打ち滅ぼす役目の人物が≫


「つまり神様の恩恵を誰にも知らせない為に一人に絞り裏から魔王をざっくり、ってことか?」


≪その通りです≫


ええ…つまり、意外とこの作品設定あるのね…。ふざけて作った割に

ぼくのかんがえたかくよむさくひんという感じのノリで作ったやつを

そしてなんか真面目路線っぽい雰囲気に脱線してしまったので軌道修正するために色々な理由(こじつけ)をかこつける作業が女神に説明により行われる


≪まず一つ。クラスの人に極力接触しないこと。君の力が知られたり元の世界に戻れるって知ったら混乱するし神様の仕業と見破られる。ほどほどに助ける分は良いよ≫


「わかった。俺が異世界ストレスフリースローライフ俺TUEEEEEEEをやる為だな。クラスのみんなと別れることで奴隷ちゃんとキャッキャウフフする為でもあるな」


≪ふたつめ。魔王と出会うまで時間をかけること。月日が経てば経つほど神による使いが来ていないと錯覚させる作戦だ。神の介入があるなら早期に解決しているからね。≫


「それもわかった俺が力を発揮したらそく物語終わっちまうからな。のちに俺TUEEEEは視聴率とれるっしょ。」


≪みっつめ。X(テン)プレートを集める事。文字通り十個のプレート集めです≫


「え?それってテキトーにつけたタイトルじゃねえの?」


≪まあそうでしょうけど追々設定を考えるつもりでしょう。多分≫


≪それらを守って異世界への門出とします。準備は良いですか?≫


これから、異世界への旅が始まる。トクンッと胸の高鳴りを全身に感じた気がした

向う場所は俺の知らない新天地。さあ往こう。異世界での新たな旅を…


「――――とか言いたいけどさ。普通に帰れるんだよね俺?」


≪もちろん。元の世界の生活を味わいながら異世界観光楽しんできてください♪≫




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テンプレ異世界のX(テン)プレート 竜翔 @RYUSYOU

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