第2話 恐ろしい弱点とあとクラスのみんな(鼻ほじ

「おいおい、何驚いてやがる…恐ろしいのはこっからだぜ…?」


≪何ですって!??≫


そう、確かにすべてのステータスが無限でしかもあらゆる能力を掌握するこの俺の力のやばいところはそこではない。本当に、本当に恐ろしいのはこれからである


「実はこのスキル。とんでもない弱点がある。払う代償が高すぎて普段セーブしているんだがな!!」


≪確かに、その力さえあれば世界だって手に入れられる。なのに使わない理由(ワケ)。それが理由ですか?≫


「いや?俺社会の敵になるのヤだから世界征服なんてするわけねーじゃん」


≪違うんかい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!≫


それも本当だが俺の無限の代償は世界には見合わないほどのリスクをはらんでいるのは確か。だからこそ使用を禁じているわけなんだが。


「理由はそれだけじゃない。いや、むしろそれだけならマジでよかったんだが…(遠い目)」


≪うわ…ガチで物憂い視線してるよ…。本当にやばいんですねその代償…≫


「ああ、ここまでもったいぶったが、教えてやる…俺の能力の弱点。それは…」


ごくりと女神は生唾を飲む。だろうな。実は俺も言いはばかるほどの最悪の代償だ。実は無限の力を使った反動で無限のダメージが、の方がまだ可愛らしかった。それほどに恐ろしい力の代償…それは


「人間の三大欲求。あるだろ?」


≪? うん≫


「無限の力を使うと。その代償に」


≪もしかして…消えるのですか…?≫


「だとよかったんだがな。その能力の代償は…。食欲、性欲、睡眠欲が無限になるんだ…!しかも性欲はタチが悪いことにオナニーじゃ解決できない。直にセックスしないと…ダメ…ッッ!!」


≪≫

再び女神は絶句した。どこかのナレーター風に『が、ダメ…ッ』というシャウトが響いたようだ。これを聞くと三大欲求が消えるほうがやばくねと思う君。よく考えてみてくれ。


まず無限の性欲である。ぶっちゃけセックス天国に思えるが世界中すべての女をレイプしても足りずどんな女も体がもたないだろう。なにより女がいなくなったら今度は男をレイプしないと行けずすべてのファックできる存在が死に絶えれば俺は死ぬまで性欲に悶々としなければならない。俺自身の体力は無限であるため俺自身に実害がないのが本当に底意地が悪い。俺が無限に果て続けても疲れることはないのだから。そして精液の海が出来上がる。


そして睡眠欲。ぶっちゃけ永眠である。これは最後に行われるからまあいいとして


食欲。総てのものを暴飲暴食鯨飲馬食してもまだ足りず飢餓感が永遠に消えないという代償。それならまだいい。人間食った後どうする?もちろん糞をする。そして食った分糞をする。するとどうなるか。世界中がウンコまみれになる。というか俺以外ウンコしか存在しなくなることで俺がウンコを食いまくってまたウンコをするという最低の永久機関が誕生してしまうのだ。そこで無限の睡眠欲。総てがウンコまみれになったウンコの傍らで俺は永遠に眠りにつくということだ。



おおよそ、考えうる限り最悪の代償だ。セックスしまくって食いまくってウンコしまくって後に残ったウンコの陸と精液の海で寝るというモザイク必須の誰得展開だ。それを想像し吐きまくっている女神が一人。やめろよ、照れるじゃないか。


「そんなわけでこの能力は加減が必要になる。実質無限のパワーなんて使えないんだよ」


≪オロロロロ、ロロロロロ。ゴボッッッ!!オロロロロロロッッッ!!ゲェェゲゲゲッブエッッポポッ!!!!????・・・失礼、少し取り乱しました♪≫


女神から発してはいけない音と顔面から色んな液体を吐き出しながらも即座に立て直し女神はひとしきり吐いた後さわやかな笑みでこちらに向き直った。


「てなわけでチートスキルはいらない」


≪ですが定番の魔王相手には大丈夫でしょうか…?それに…その代償を封じるチートスキルが欲しくありませんか…?≫


ニヤリと悪魔のささやき風に不敵に女神は笑う。さっきまでゲロ吐いていたとは思えない雰囲気だけどやっぱりゲロ吐いていたので威厳がない。まあその辺は大丈夫。なぜなら


「実はこのリスク。あったりなかったり出来るからな」


≪代償の意味ッッッッッ!?????????≫


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「「「「「「「「「「「ステータスオープン!!!!」」」」」」」」」」」」」

その声と共にプレートに刻まれる異世界での自分たちのステータス

ある者は歓喜しある者は落胆する。歓喜したのはクラスの少数でその大半は低ステータスと低レベルだった。


だがそんなことよりも西崎を心配してうつむいていた少女。水城美鈴の姿があった。


それを見てクラスメイトのヒーロー栢木 悠馬はポンッと彼女の肩に手を置いて話しかける。


「大丈夫。西垣君は教室を出て行ったし巻き込まれてはいないよ」


「でも…もし私たちと同じでこっちの世界に来たのだとしたら…西垣君の事、誰も見てないって…!!」


懸念はもっともだ。魔法陣の効力があの教室だけとは限らない。もし廊下にも及んでいたとすれば…


「フッヒッ!もしかしてどっかでおっ死んでたりなヒャハハッッ!!」


「治水ッ!!!」

あまりの無神経さに栢木は治水を怒鳴るがそれに対し悪びれもしないどころかせせら笑い


「フヒッ!そんなこと言って栢木もアイツがいなくなってせいせいしただろォ?そして美鈴たんの傷心につけ込んでそのまま…フヒィ!!」


「それ以上言ったら怒るよ僕も」


「フヒッ!フヒィイィイィィィィィッッ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「アイツ…なんでフヒフヒ言ってんだ?あんなキャラだったっけ?」


≪いや、前の世界での彼の事知らないですし聞かれても困ります…≫


女神が持っている水晶から西垣たちはクラスの様子を確認しその一名を見て若干引いていた






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