テンプレ異世界のX(テン)プレート

竜翔

第1話 異世界転移…しちゃ、たぁ!

机で呆っと頬杖をつく俺は西垣 啓也(にしがき けいや)


どう見たって普通の高校生だがどう見たってイケメンであるのに非モテ設定のなんかよくあるなろうな高校生だ。


イケメンであるがなぜかモテたことはなく女子から遠目で陰口を言われ


喧嘩も強いがなぜかいじめられっ子である。まあそれはいいとして…


なんかこれからこのクラスが何故か異世界転移する予兆を感じたので巻き込まれたくないやれやれ系主人公の俺としては教室を出てその事象を回避しようと教室を出た時


≪逃がしませんよ。だってあなた主人公ですもの。もしかして日常ものやりたいのですか?生憎今回のジャンルは異世界転移ものですので。いやーまあ、諦めちゃって下さい♪≫

どこぞの異世界へ導く女神の声が聞こえた瞬間。教室に魔法陣が出現したと同時にクラスのみんなは転移し、そしてそれを回避したと思った俺はというと…


廊下から穴。ちょうど俺一人を落とすほどの大きさのホールが足元に現れて。


「うわー。始まっちゃったよ…」


そう嘆きながら異世界への入り口に落っこちてしまった




突然の出来事にクラス全員が当惑する。


だがみな瞬時に状況が把握できた。これは異世界転移だ

そう、ここにいる全員がなぜかなろうの異世界ものを知っているのだ(ババンッ)



そして恒例のクラス転移ものといえばクラスのキャラ紹介

それではまずテンプレの西崎をいじめた子治水 蛭(ちすい ひる)君からである

明らかにいじめっ子というか名前のせいでいじめられて劣等コンプレックスを抱いているであろう彼は異世界に来て歓喜していた。

王国からクラスメイトが救世主として召喚され俺こそが勇者になるんだ

そう意気込んで一人盛り上がる


続いてクラスの人気者 栢木 悠馬(かしわぎ ゆうま)

眉目秀麗で成績優秀の有智高才。もちろん運動神経抜群の非の打ちどころのない高校生だ。僕が率先して導かなければ。そんな使命感を抱いている


次にヒロインである水城 美鈴(みずき みれい)

クラスのアイドルで実は西崎に淡い恋心を抱く女子高生。容姿端麗 才色兼備のやはり人気者にふさわしい高根の花だ。西崎君はどこだろう…?そんな心配をして辺りを見回す


あとはおいおい語るとしてテンプレ通り円形の塔の内部の魔法陣から生徒たちは連れてこられ周囲には召喚士の魔術師が四人いて円陣を囲っていた。ほどなくして入り口から王様らしき人物が現れ

「よくいらしてくれた勇者の諸君!私はゼベル王国の王カドラス王というものだ。

さっそくだが君たちの力を見せてくれ」

クラスのみなはどよめきながらも異世界での冒険への期待を膨らませ王様の指示に従った

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「回避、できなかったぁ!!!!!!!!!!!!!!!」

と絶叫するのが我らの主人公、西垣 啓也。


異世界行きとか趣味じゃねーのに。というか俺なろう系嫌いだしとうずくまってぶつぶつと嘆きをつぶやきながら頭を抱える


≪まあまあ、これから良い思いをするんだし気にしない気にしない≫


とか抜かすのは西崎を連れてきた女神『カラマネ』である。


「良い思い!?俺にとって学園生活が良い思いだったの!!」


≪へぇ…いじめられたり女の子から嫌われていたのにかい?≫


「当たり前だヴァーカ!!あのクラスの状況どうみたってクラス転移ものじゃねえか!!そして主人公のテンプレ全部コンプリートしてんじゃねえか!!だからいつかこんな時が来るとわかっていたから回避するために逃げたのにオマエなぁ!!!」


≪そこまで知っていたなら話は早い。知らなかったのかい?女神からは逃れられない≫


「お前実は大魔王だろ!??」


と茶番を済ませて本題に移る。まずは予想外のもう一つであるクラス転移による召喚ではなくこのアバズレが俺を連れてきたことだ。流石にそこまでは予想できなかった


「で、何で俺はこんなとこに呼び出されたんだ?」


暗い空間に女神(アバズレ)と俺だけが見える謎の空間の中座りながら尋ねる


≪簡単だよ。ひ・ま・つ・ぶ・し♡≫

キャピッっと可愛らしくウインクをするバカに対し殺意を込めて


「さてぶっ殺すか」

指を鳴らして女神殺しを遂行する。殺意を感じ取り怯える女神は震えながら手を挙げて


≪ちょっと待って!!これでもいい条件があるからそれを聞いてからにして!??≫


「ほう、教えてもらおうか?」

とりあえず矛を収めて話を聞く。つまらん条件なら即、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)だが


≪まず君の条件を飲もう。まずひとつ、君は異世界と元の世界を自由に行き来できるようにする。これはどうだい?≫

ふむ、良い条件だ。つまり異世界にとどまることもないんだな。悪い条件ではないので

「良いなそれは。ぶっちゃけそれだけで良いんだけどな」


≪いやーそうもいかない、君は異世界に必要なファクターだからね。自由に戻ってもいいけどその代わり君は異世界に時折戻ること。この条件も飲んでくれるかい?≫


普通なら断るのだがクラスのみんなも心配だしその条件は確かに必要だ


「分かった」


≪ありがとう。後は君にチートスキルを授ける。どんなスキルが良い?≫


「え?」


≪え?≫


「いや、ぶっちゃけ要らないんだけど…。てかそれ知ってて俺を此処に呼んだんじゃないのか?」


≪え?え?何?君ってもしかしてすでに何か力を持っているの?≫

どうやら知らなかったらしい。うわー…めっちゃ説明したくない。正直厨二臭くて説明したくない。だがしょうがない。教えよう


「俺の能力は『∞の力を持っていてすべての力を無限に変えてなおかつその無限エネルギーでいかなるものも創造できる』…だけど」


女神は絶句した。


≪え、それ冗談だよね?そんな力持っていて今まで良く平気だったね?ていうかさっきの威圧感って…≫


「だってアンタぶっ殺すとかそんな力持ってないとそんなセリフ吐けないじゃん。もちろん元の世界に帰ることもできるけど力は使いたくねーしな…」


≪なんで…?≫


「あ?んなの決まってんじゃん。めんどくせーから」


女神は再び絶句した。まあそうだろうな。神様に対して神様を超える力を持った一般人がいるって知ってたらそらな。というか神様ならおみ通しだと思っていたが


女神は即座に板切れを手元に造り出し俺に向かってかざす。すると

――――――――――――――――――――――――――――――――――

西垣 啓也 17歳

HP ∞

魔力 ∞

攻撃力 ∞

防御 ∞

速度 ∞

技量 ∞

魔法耐性∞ 精神干渉無効 衝撃無効 因果操作時空干渉無効 即死無効 etc.

スキル 過重無限界崩(アディショナルインフィニティー) 変幻創造権妙(ストレンジクリエイト)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


≪・・・・・・・・・・・・・・・・チートってレヴェルじゃねえぞッッッッッ!!!!!!????????≫


またもや絶句かと思いきやあまりにふざけているので口調も砕け突っ込みに入った。だろうな










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