心霊100物語

第三十一夜 成人式

数年前に後輩のMが体験した話です。

Mさんは会社の後輩で、昨年成人になり成人式と同窓会に参加したそうです。

Mさんは学校でもどちらかと言うと地味な女子で友人も決して多くはなかったそうなのですが、唯一の親友だった香織さんは幼少期からの仲で小中とそれ以降も同じだったそうです。

高校進学で香織さんは体育推薦で、北海道に移り変わりそれ以降はあまり連絡の交換もしていなかったそうです。

成人式は無理でも、同窓会は来るだろうと思っていたMさんでしたが来ることは無かったそうです。

その後、成人式で撮った写真を見返している時に違和感を感じたそうです。

実際に私も見させて頂きましたが、成人式当日の朝Mさんが家の前で撮った家族写真に白いモヤのようなモノが掛かっていました。

もう一枚は、成人式の日に友人と撮った写真でこちらにはMさんの肩の方に女性の顔らしきモノが写っていました。

その女性は生気を感じられず、ただぼーっと立っているような感じで悲しそうに目線は下を向いていました。

「これって…もしかして？」とMさんに尋ねると、Mさんも悲しそうに私の首を立てに振りました。

Mさんは写真を見返してこれに気づき、慌てて香織さんにをLINEを送ったそうですが、既読する事は無かったそうです。

Mさんは色々な情報を探し、ある新聞記事を見つけました。

北海道で車同士の事故女性2人が即死と言う記事を見つけ、調べると香織さんと全く同じ名前の女性が成人式前の12月末に亡くなっていた事でした。

おそらく、お母さんと一緒に出掛けた帰りに事故に巻き込まれ2人とも亡くなったと言う記事でした。

写真に写っていたのは間違いなく香織さんであり、成人式と同窓会を楽しみにしていたのかもしれません。

悲しそうな顔はここに来れなかった無念の顔で、いつまでもMさんと友達だよと言う想いがあったのかもしれません。

第三十夜　成人式　終わりです。