第二十夜 ビル

警備員をしている坂倉さんは、深夜にとあるビルの警備をしていたそうです。


勤務し出して、2ヶ月程経った時に防犯カメラに黒い影が歩くのが見えた為、見回りに行きました。


人の姿も無く、深夜という事で静まり返って自分の歩く音のみが廊下に響いていたそうです。


何も無いし、また警備員室で防犯カメラでも見とくか…と戻ろうとした時、誰かが後ろから付いてきている感じがしました。

気のせいだろうと振り返ることも無く、警備員室に戻りまたカメラを見ていました。


すると、やけに肩が重いし、さっきより遥かにしんどい…さっきの件でかなり疲れてしまったな…と思っていたそうです。


そのまま仕事も終わり朝、家に帰ると奥さんが「あなた…肩、肩、肩!!!」と玄関で驚き腰を抜かしてしまったそうです。


玄関にある鏡には、自分の姿が映し出されていて肩には私に覆いかぶさるように真っ黒い男が付いていたそうです…。


すぐにお祓いに行き、何とか取り払って貰ったそうです。


それ以降、そのビルの担当も外して貰ったそうです。

色々調べても、そのビルで事件・事故も無くあれが何者だったのかはわかりませんが、確かに防犯カメラに写った影と背格好が同じだったそうです…。


第二十夜 ビル、終わりです。

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