第十八夜 ラブホテル
友人の北川は自分の性行為を撮影する趣味があり、この日も相手の女性合意の元撮影を行っていたそうです。
家に帰り、北川はそのビデオを再生しました。画面はずっと真っ暗、「あれ?失敗したかな?」とスマホの画面をスクロールし、先の方を見ました。
丁度映像は中間当たりで、また再生されます。
先程まで画面は真っ暗だったのに、そこに写っていたのは真っ赤な映像でした。
「なんだこれ?」とまた、スクロールしますが先に進みません。
さらに、停止も出来ず、スマホの電源を押しても画面はずっと真っ赤で血のような映像でした。
しばらく、そのままの状態でしたが、ジワジワと画面の真っ赤な映像が動き出します。
ふと画面を見ると、そこには顔から血を流しこちらをジーッと見つめる女性の映像が映し出されています。
見に覚えのないその女性の顔は、血だらけの中、何かを訴えるかのようにパクパクと口を動かしていたそうです。
よくよく見てみると、「苦…しい…」と言っているように見えたそうです。
北川はその実際の映像を見せてくれました。
確かに、「苦…しい」と言っている感じでした。
北川は、何かここのホテルで過去にあったのかな?とかなり怯えた感じでしたので、後で色々調べてみました。
すると、数年前にこのラブホテルの一室で殺人事件があり、女性が亡くなっていました。
おそらく、この映像に写っているのはその時に殺害された女性の姿だったのでは無いでしょうか…。
それからと言うもの、あれ程趣味にしていた自らの性行為の撮影をパタッと北川は辞めて、ラブホテル等も利用しなくなっています。
第十八夜 ラブホテル、終わりです。
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