第十七夜 人斬り刀

これは某県にあるお寺でも供養が出来なかったと言われる人斬り刀の話です。


数十年前にお婆さんがお寺に供養して欲しいと持ち込まれた刀は刃もボロボロで、とても使い込まれた刀だったそうです。


しかし、その刀を預かって以降、お寺では不吉な事が連続します。


住職が急に重病に掛かり原因不明の光熱の日々に加え、刀を保管していた場所からボヤ騒ぎがあったりと明らかにその刀が来てからでした。


手に負えなくなった住職は、近隣のお寺に預けます。

こちらでも、住職が原因不明の光熱や修行僧の突然死等、益々酷くなる一方でした。


その話を聞きつけた、ある住職が私に預からせて供養させて欲しいと年配の住職がその刀を預かったそうです。


この住職は元々霊と対話が出来ると噂で、この刀と一対一で何日も話し掛けたそうです。


すると、その刀には数人の悪霊が憑いていることがわかったそうで、過去に何人もの人を斬り殺した刀だったそうです。


戦国時代から今まで何人も切り続けた刀には、その斬られた人たちの怨念が取り付き普通の住職では対処出来ないほどに悪霊化していたそうです。


この住職も刀の供養を1ヶ月かけて行い、ようやく浄化されたそうですが、この住職はその数日後に原因不明の病に倒れ数日で亡くなったそうです。


噂では悪霊が住職を連れて道連れにしたと噂になったそうで、今はその刀も供養され本当に住職の死因がその悪霊と関係があるかはわかりませんが、悪霊が何人も入った供養物は住職の人たちでも供養するのは大変だと言うことなのでしょうか…。


第十七夜 人斬り刀、終わりです。

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