第十五夜 公衆トイレ
とある公園にある公衆トイレ、かつて女性が殺された場所という事で心霊スポットとしてかなり有名でした。
そんな場所に若者グループが心霊スポットに訪れやって来ました。
心霊スポットという事ではしゃいだり、騒いだりしながらふざけ合ってトイレに閉じ込めたりしていました。
そんな時、トイレのドアノブが壊れ中に閉じ込められた人が出れなくなりました。
どれだけ引っ張っても、ドアは一向に開こうとはせず、中からも外へは出れないほどの隙間しかなく「ヤバい」という雰囲気になったそうです。
しばらくして、「誰か人を呼んでくるから」と閉じ込められている子だけを残して、後は人を呼びに行ったそうです。
「おい!誰か一人は居てくれよ!」と中に閉じ込められた子はパニックになっていました。
しばらくして、コツ、コツとハイヒールのような音がトイレ内に響き渡ります。
友達の中にハイヒールを履いていた人は居ないし、本当にヤバいと残された子はただただ誰か来るのを待っていたそうです。
コンコンとドアがノックされ、足元の隙間に赤いハイヒールが見えています。
取り残された子は目を塞ぎ、耳を塞いで何も見ていないし、何も聞いてない、早く時間が経って皆帰ってきてくれ!と思っているうちに5分は経ったでしょうか。音も赤いハイヒールも見えなくなり、安堵しているとドンドンと今までで一番強い音がトイレの個室に響きます。
「助け…て、助けて…」と言う女性の苦しそうな声、そして足元からは血だらけの女性の生首がこっちを向いて苦しそうに助けを求めていたそうです。
慌ててドアを蹴り破る勢いで閉じ込められた子はドアを蹴りました。
ドンとドアが開き、慌てて皆を探しに行きます。
ふと見ると、友達がこっちに力が強そうな人を数人連れて走ってきていました。
今、あった事を全て話しました。
友達も確認しに行ってくれましたが、誰もいないトイレに戻っていたそうです。
彼はそれ以降、心霊スポットと呼ばれる所には近寄っていないそうです。
今ではその公園も潰れ、トイレも撤去されたそうですが…浮かばれない人がいつまでも彷徨い続けている場所に遊び半分で行ってはいけませんよ…。
第十五夜 公衆トイレ、終わりです。
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