第十三夜 魂を宿した石

昔から「石には魂が宿る」と大体の人は教えられて来たと思います。

そんな石の心霊体験談です。


ある家族がバーベキューで河原を訪れていた時、子どもたちが石遊びを始めたそうです…。


川に向かって投げて、何回跳ねるかをしたり、何段乗せれるかと積んでみたりと色んな遊びをしていました。


すると、息子が「これ綺麗な石でしょ…」とお父さんに言いました。

綺麗な丸の形、ツルツルした感じは子どもに取っては嬉しかった筈です。


しかし、お父さんはしばらくその石を見ていてギョッとします。


太陽の光に照らされた石に、一瞬顔のような物が見えました。

「まさか…気のせいだろ…?」と思っていると、角度を変えると顔に見えて口元部分が動いているように見えました。


「まぁ、錯覚で見えることもあるし…」と思い、息子に「その石はここに置いとこうな」と言って自宅に帰ったそうです。


家に帰宅して、洗濯していた奥さんが「誰か、石をポケットに入れてたみたい…」と言い、嫌な予感がしたそうです。


「頼むから、あの石以外の石であってくれ!」と言う父の願いは届かず、丸くてツルツルのあの石でした。


父は慌てて、その石を庭に捨てました。


しかし、この日から、息子と父が二人同時に原因不明の熱にうなされ寝込んでしまいます。

元気だった母も、下の娘も原因不明の体調不良になりました。


父は「これは、もうあの石が原因だ」と思っても、身体が熱で動ける状態ではありませんでした。


そして、熱でうなされてる最中、父は金縛りにあったそうです。


首を締められている…苦しい…誰が…と何とか開けれた目で顔を見ました。


そこには、石に一瞬見えたあの顔…しかも、そこにいるのは何と落武者でした…。


石を太陽で照らした時には顔の面だけが写されていたのにも関わらず、私の首を締めるのは面はそのままの落ち武者…恐怖のあまり「今は何も出来ません、何も出来ません…」と心で唱えていたそうです。


すると、落ち武者が怒った声で「帰らせろ!帰らせろ…」と言っていたそうです。


次の日に父は熱がある中、友人に車を出してもらい、あの河原に戻しに行ったそうです。

「本当に申し訳なかったです。」と心から謝罪しました。


それ以降は、金縛りも無く、家族も全員体調が良くなったそうです。


石には魂が宿る事があるんです…ですから、河原などで綺麗だと思っても持ち帰るのは考えた方が良さそうですね…。


第十三夜 魂を宿した石 終わりです。










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