第5話

 例えば闘技場や図書館、博物館などがあるようだ。

そしてそのどれもが魔王軍の襲撃によって大きな被害を受けているようだった。

(困ったな……。これだと調べようがないじゃないか)

そんなことを考えていると、不意にある考えが頭に浮かんできた。

(そういえば、確か魔法学園という場所があったはずだ)

魔法学園とはその名の通り魔法を学ぶための学校のようなものだ。

そこには優秀な魔法使いが沢山いるに違いない。

「皆さん、提案があります」

「なんでしょう?」

「もしかすると、そこに行けば何か分かるかもしれないと思いまして」

「なるほど。確かにそれは良い案じゃな」

「では、そこに向かうということでよろしいですか?」

「はい、お願いします」

「分かりました。それでは明日出発しましょう」

「了解じゃ」

「はい!」

「かしこまりました」

「それでは今日は解散にしましょう」

「はっ! それでは失礼いたします」

「失礼するぞ」

「失礼します」

「失礼します」

それから私は自室へと戻り、眠りについた。

そして翌日になり、私たちは出発する準備をしていた。

「忘れ物はありませんか?」

「はい、大丈夫だと思われます」

「妾の方も問題ないのじゃ」

「私も平気ですよ」

「そうですか……。それでは行きましょう」

私たちは馬車に乗り込むと、魔法学園を目指して出発した。

しばらく進むと、ようやく目的地が見えてきた。

「あれが魔法学園のようだな」

「はい、そのようですね。では、早速向かいましょう」

「そうじゃな」

「はい」

そして、再び歩き出す。

それからしばらくして、ついに入り口までたどり着いた。

そこには一人の女性が立っていた。

「あの〜……。何か用事ですか?」

「はい。実はこの中にいる方にお会いしたいのですが……」

「申し訳ございません。当校の生徒以外の方との面会はお断りしております」

「そこをなんとかできませんか?」

「すみません……。規則なので……」

「どうしてもダメですか?」

「はい……。本当にごめんなさい」

「そうですか……。仕方がありませんね。また出直して来ます」

「はい……。よろしくお願いしますね」

「はい、わかりました」

私はそう言ってその場を離れた。

だが、これで諦めるわけにはいかない。

何か手はないだろうか? 私は必死に考える。だが、なかなか思いつかない。すると、そこでタカリアナがあることを言い出した。

「のう……。ちょっといいかの?」

「どうしました?」

「もしかしてじゃが、お主は魔族ではないのか?」

「えっ!? どうしてそのことを……?」

「やはりそうなのじゃな。お主からは魔力を感じぬからのう」

「な、なるほど……。確かにそうかもしれません」

「それでどうするつもりなのじゃ?」

「いえ、どうもしませんよ。ただ、嘘をついてしまったので謝りたいだけなんです」

「なるほどのう……。まぁ、そういうことなら仕方がないかもしれんな」

「えぇ、そういうことです。では、そろそろ帰りますか?」

「そうじゃな。あまり長居しても迷惑だろうしのう」

「それもそうですね。それでは帰りましょう」

「うむ、わかった」

私たちは学園を後にした。

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