第4話

 「あぁ、まず第一に君の正体について誰にも言わないこと。次に俺たちの計画について一切口外しないこと。最後に俺の協力者として行動してもらうことが条件となる」

「わかりました。その条件で構いません」

「よし。それじゃあ改めてよろしく頼むよ」

「こちらこそよろしくお願いします」

こうして私は新たな仲間を得ることができたのだった。

「それで、これからどうするつもりなんだ?」

私はアルポンズさんから今後のことについて聞かれたので答えた。

「そうですね……。とりあえずは情報収集でもしようと思っています」

「情報か……。確かにそれは大事だろうな」

「はい。それともう一つ大切なことがあります」

「何だ? 言ってみてくれ」

「それはこの国の地理を知るということです。私はこの世界のことを何も知らないので……」

「なるほど。確かにそれは必要なことだな。ならまずは地理を教えよう」

「いいんですか?」

「あぁ、構わないよ。君にはいろいろと世話になっているしな。これくらいならお安い御用さ」

「ありがとうございます」

それから私たちはアルポンズの案内のもと王都を歩いて回った。

すると様々なことが分かった。

例えば、この街の名前はゲイバッカ王国というらしい。

そしてこの国はウエルスラニアという国だそうだ。

他にもこの国には多くの種族が住んでいることや、魔法が存在するということがわかった。

そして一番驚いたのがこの世界に魔王が復活してしまったということだった。

私はそのことを聞いた瞬間に嫌なことを思い出してしまった。

(まさかとは思うけど……。いや、そんなことはないはずだ)

だが、もし本当に魔王が蘇っていたとしたら……。

そんな不安が頭を過った。

「どうかしたのか?」

私の様子がおかしいことに気づいたのかアルポンズが声をかけてきた。

「いえ、何でもありません」

「そうか……。なら良いのだが……。何かあったらすぐに言ってくれよ?」

「わかっています。心配してくれてありがとうございます」

それから私たちは色々な店を見て回ったり、食事をしたりして楽しんだ。

そして日が暮れる頃にはすっかり仲良くなっていた。

「今日はとても楽しい一日でした。また機会があれば一緒に遊んでくれませんか?」

「あぁ、もちろんだとも。俺も君と一緒にいるととても楽しく感じるからな。またいつでも遊びに来てくれ」

「はい、分かりました」

「それじゃあ気をつけて帰るんだよ」

「えぇ、それでは失礼します」

私はアルポンズと別れて家へと帰った。次の日の朝。

私は昨日の夜のことを考えていた。

やはり、私が感じたことは勘違いではなかったようだ。

そう思った理由は簡単だ。

それはこの国に魔族が現れたという報告を受けたからだ。

しかもその数は数百体にも及ぶとのことだった。

それだけの数がいたらいくらなんでも気づくだろう。それにしても、なぜ急にこんなことになったのだろうか? 今までは平和だったというのに……。

だが、考えてみてもその理由などわかるはずもなかった。

そこで私は情報収集をすることに決めたのだ。

「それでは行ってきますね」

「はい、行ってらっしゃいまし」

私はリリアナとメイドたちに見送られながら王城へと向かった。

そして門番の兵士に声をかけると中へ入れてくれた。

そのまま謁見の間へと向かう。そこには国王であるジークブリーフ・ゲイバッカの姿があった。

「おぉ、お前か……。待っていたぞ」

「私をですか?」

「あぁ、そうだ。それで早速本題に入るが、昨日の件について詳しく教えてくれないか?」

「わかりました。実は……」

私は自分が知っていることを全て話した。

「そうか……。わかった。報告ご苦労だったな」

「いえ、別に大したことではありませんから」

「そうか……。それでこれからどうする?」

「とりあえずは情報収集を続けます」

「ふむ……。まぁ、それが無難だろうな。何か分かったことがあれば知らせてほしい」

「はい、承知しました」

私はそう言うと謁見の間を後にした。

それから私は街に出て、街の人に聞き込みをしてみた。

すると、少しだけ気になる情報を手に入れることができた。

それはこの街に魔物たちが襲撃してきたという話だ。

そしてその魔物たちは今もまだこの街にいるらしい。

これは恐らく魔王の仕業に間違いないだろう。

しかし、なぜ今になって姿を現したのだろうか? 私はその疑問を抱えながらも、一旦屋敷に帰ることにした。

「おかえりなさいませ、アルミレア様」

「ただいま帰りました」

「それでどうだったのじゃ?」

「えっとですね……。まずは……」

私は皆にも事情を説明した。

「なるほどのう……」

「つまり、これからはその魔物たちを討伐しなければならないということですね」

「はい、そういうことになります」

「でも、どうやって倒すつもりなんじゃ? 相手は数も多いみたいだしのう……」

「確かにそうかもしれませんが、何とかしてみますよ」

「そうか……。なら妾たちも協力しよう」

「いいんですか?」

「勿論じゃ」

「ありがとうございます」

こうして私たちの新たな戦いが始まったのであった。

私たちはその後、作戦会議を開くことにした。

「まずは敵の戦力を把握する必要があると思います」

「なるほど。それは一理あるな」

「そうじゃろう。ならばまずは情報を集めなければならぬな」

「そうですね。ですが、一体どこを探せば良いのでしょうか?」

「そうですね……。この街の地図を見せてもらえませんか?」

「お安い御用だ。ほれ、これがこの街の全体図だ」

「ありがとうございます」

私はアルポンズさんから貰った地図を見て、この街に何があるのかを確認した。

その結果、この街には様々な施設が存在することがわかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る