第3話

 それから私はアルポンズたちにこれまでの経緯を話した。

自分がこの世界に転生したこと。

そして復讐のために王太子を殺そうと思っていることなどなど……。

全てを話すとアルポンズは感心したような表情になった。

「なるほど……。君はこの世界の住人ではなく異世界からやってきたのか……」

「えぇ、そうです。信じられないかもしれませんが……」

「いや、信じるとも。君が嘘をついているようには見えないからね。それに俺にはわかるんだ。俺も同じような経験をしているからね……」

「そうなんですか? それなら話が早いです。なので、もしよろしければ私に協力していただけませんか?」

「ふむ……。確かに俺は君に協力することができるかもしれないな。だが、それは俺の目的にも協力してくれるということが条件になるがいいか?」

「目的……?」

「あぁ、そうだ。実はな、俺たちはこの国を支配しようと計画しているんだよ」

「なっ!? それは本当ですか?」

「ああ、そうだ。そのためにはどうしても国王である父親の力が必要なのだ」

「なるほど……。それで私たちに協力しろと言うんですか?」「そういうことだ。どうだ? 悪い話ではないだろう?」

「そうですね……。確かに悪い話ではないと思います。ですけど、あなたの目的はそれだけですか?」

「どういう意味だ?」

「言葉通りの意味ですよ。あなたは自分の父親を利用して何か企んでいるんじゃありませんか?」

「……。どうしてそう思う?」

「簡単なことですよ。あなたはあの時、私を殺す前にこう言いましたよね?

『なぜ、自分から殺されようとする?』とね。普通ならあんな状況でわざわざ質問なんてしないでしょう。それなのに質問をしたということは、何かしらの理由があったのではと思いましてね」

「……」

「沈黙は肯定と受け取りますよ?」

「……。わかった。降参しよう。君の言うとおり、君が言ったのは本当のことでね。俺たちは今よりももっと大きな権力を手に入れようとしているんだ」

「それがあなたの目的なんですか?」

「まぁ、簡単に言えばそうだろうな」

「そうですか……。それで具体的に何をしようとしているんですか?」

「その前に一つ聞いておきたいことがある」

「何でしょうか?」

「君は一体何者なんだ?」

「何者かと言われても困りますね……。ただ、あえて答えるとするならば、復讐を望む者……といったところでしょうか」

「復讐……?」

「はい。私はある男によって人生を狂わされてしまいました。その結果、家族を失ってしまいました。だから私は同じ目に遭わせてやりたいと思っているんですよ。復讐するために」

「なるほど……。つまりは復讐する対象がいるから協力してもらいたいと……」

「えぇ、そういうことになります」

「そうか……。なら君の協力をさせてもらうことにしよう」

「ありがとうございます」

「ただし、いくつか条件がある」

「条件……?」

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