なぜか懐かちく思うんでち

 もぐもぐもぐ…… チモシー美味しいでちぅ。


 ご主人様はいい人でち。

 どんなに忙ちくても、どんなに大変でも、どんなに悲ちくても、あたちの世話はかかさずちてくれる。


 もぐもぐちているあたちを見ながら、ご主人様の目から水がこぼれた。


 大切なお友だちがちんじゃったらちいのです。

 二人の名前を呼びながら、やさちくあたちのあたまをなでてくれまちた。



 しばらくちてご主人様の連れてきたニンゲンは、やたらと声が大きいヒトでちた。

 あたちたちチンチラの耳はとても良いので、大きい声は耳が痛くなりまちゅ。


 しかも、そのヒトはあたちの事が気に入らないみたい。

 ご主人様がいなくなると、ヒザにのせていたあたちを乱暴に振りおとちます。なんだか、ご主人様のご機嫌だけとりたいみたいでちね。


 それにちてもここんとこ、体がむじゅむじゅして変な感じでち。落ち着かない。



「ほら、これがお前のお相手さんだよ」

 そう言って、ご主人様がみせてくれたピカピカに映ってたのは、なんだか見たことがあるような仲間チンチラでちた。

 よぉ! とか、俺の真似をしろ! とか、初めて会うのに色々なおはなちをちてきまちゅ。

 くんくん嗅いでも匂いがちない。でもここにいるみたいに動いて鳴いていて、不思議な感じでち。


 その仲間に言われたように真似っこをちてみたら、ご主人様が楽しそうに笑ったので、よかったのかもちれません。



 今日のご主人様は特にご機嫌でち。

 あの声の大きいヒトもやってきまちた。わたちの事を嬉しそうにつつこうとします。でもあたちはこのヒト嫌いでち。ぷんっ。

 ご主人様にいただいたおやつをもぐもぐしていると、不思議な匂いがちまちた。


 これは……初めての仲間の匂いでち!

 でもなんだか懐かしい、知ってる気がするでち!!


 あたらちく来たニンゲンたちが持ってきたケージの中に居たのは、頭の毛がピンピン立っている、あの「真似をしろ」のチンチラでちた。

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