運命、それは突然に

A「ふーさん、しってますかー?」

る「るぅだ、何をだ?」

A「およめさんはとってもいいんですよ~~」


 知ってるんだよ! いや、知らないけれど……

 こいつ、年齢イコールいない歴(※人間時を含む)の俺にケンカ売ってんのか!?


 と、思ったが、飼い主におやつをもらったアイツはそのまま食べるのに夢中になって、画面外に行ってしまった。

 くっそーー 羨ましい。


 その日から俺は、モフスタグラムを通じて知り合った女たちの中から、俺の嫁にふさわしいヤツを探していった。

 みずきも俺の様子から何かを感じたのか、モフスタグラムを開くとチンチラの写真ばかり選んで見せてくれるようになった。


「そっか。るぅちゃんも、そろそろおよめさんが欲しいオトシゴロなのよね~~」

 わかってんじゃねえか、みずき!! てかオトシゴロとか関係なく、いつでも欲しいぜ!!



 パソコンを通じて舎弟に芸を教え込みつつ、モフスタグラムでいい女を探す日々……

 そして、とうとうその日はやってきた。


「るぅちゃん、この子がお嫁さんだよ~~♪」

 みずきが見せてくれたのは、いつぞや見たあのチンチラの写真……

 見覚えのあるあの車、あの服…… これ、なんて運命だ……?


 俺の嫁さん(仮)は、アニキの飼っているチンチラだった。

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