ちょっと、いやかなり羨ましい

 俺に舎弟ができた。

 といっても、相手はパソコンを通じてでしか会話ができない、遠い所にいる仲間チンチラたちだが。


 今日はもふもふ会議とやらで、そいつらと集会の日だ。

 Moozムーズとかいう物を使えば、パソコンを通じて互いを画面に映しながら話ができるのだ。

 本当、パソコンって便利だよなぁ。


 飼い主同士の顔は映さず、画面に映すのはそれぞれのペットだけ。

 で、お互いのチンチラを見ながら、みずきたちはペット話に盛り上がっている。


 その間は、俺たちは俺たち同士で話をしている。


A「あー、むーさんー」

る「るぅだ」

A「あー、そうでしたー るーさんー こんにちはー」

B「どうもー もぐもぐ。チモシーおいしいですお」

C「ちょっと! それあたちもたべたいです!」


 ……話はいつもこんな感じだが。

 ちょっと不安もあるけど、俺にとっては可愛い舎弟だ。


る「俺はお前たちの兄貴分だよな」

B「うんー? あにきってなんですかー?」

C「むずかちいことは、わかんないのです」


 ……所詮はネズミか……

 いやいや、気を取り直して……


る「よっし、俺の真似をしろーー 手をふれーー(ぶんぶん!)」

3匹「わーーーい(ぶんぶん)」

る「おじぎーー(ぺこり)」

3匹「じぎーー(ぺこり)」


「あっ、ほらほら! また真似してるーー」

「かっわいいーー」

「えらいねー はい、おやつ♪」


 うんうん、飼い主たちにも評判は上々だ。

 舎弟たちも俺の真似をすれば、飼い主に褒められるとわかってきたらしく、大抵はノリノリでやってくれる。


A「そうそう ぬーさんーー」

る「るぅだ」

A「ぼくにおよめさんができましたーー」


 うん!? なんだって!?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る