この作品を読めば、どこか懐かしい匂いが香るとともに非日常の世界へ導かれます。非日常の世界に見えるその舞台は、毎日のように訪れる真夜中。ただ、真夜中に牛乳を注いで飲むだけのその動作が音と、匂いと、色と、心情と、全ての描写によってしんみりと胸の中に響いてきます。あなたの中に残るこの一夜を、この牛乳を、ぜひ堪能してみてください。やがて何も思い出せなくなる、この世の理とともに。