第10話神様の仲裁

 神社の神様が仲裁する。

「ばあ、若人をいじめるものではないよ」

「昔話を信じない男が悪いのです」

「人間と険悪になってはいけない」


「もう、気が済みましたわ」

「そうか。あまりいたずらをするでない」


 ばあの男嫌いも相当だ。


 何人も男を化かして遊んでいる。


 遊ぶだけならいいが、追い回しノイローゼにさせたあげくに引っ越しまでさせるのはどうかと思う。


 特に30代の妖怪を信じない男に限って行っている。

 昔の男が気に入らないという理由で似た風貌の男にいたずらをするのはいかがなものかと思う。


「最近の若者は信仰心がうすれすぎていますからこれくらいがちょうどいいのです」


「そうかのぅ」


 まぁ、見えないものがいるかもしれないと思うと、悪さもへるだろう。

 座敷わらしが気に入った女性は知らないだろう。

 彼は心霊現象があるかどうか冷やかしで禁足地にまで出入りしていた。

 他の神々や霊的なものは忠告のようなものをしたが彼は意に介さなかったと聞く。


 これで改心してくれればいい。

 守る家庭もできたことだし、もう神や妖の領域を荒らすことはすまい。


 神社に苦情の言葉が来なければいいとしよう。

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