第14話 捨てないで

ロビンが、入って来た人物に向かって言う。



「父上。」



警察を引き連れて部屋に入ってきたロビンの父のグリセンコフ侯爵が、ゴミのようにクリスティーナを見て言った。



「その女を捕縛しろ。」



グリセンコフ侯爵の後ろにいた複数の警察が、クリスティーナを取り囲みその腕を掴み上げた。



クリスティーナは、驚愕した表情で言う。



「どういう事ですか?私は何もしていませんわ!」



グリセンコフ侯爵は、呆れたようにクリスティーナを見て言う。



「お前がそこに、証拠をばらまいているじゃないか!


ロビンが表ざたにしたくないと言うから訴えていなかっただけで時効はまだ過ぎていない。


ロビンから、もう我慢ができないと連絡があった。


写真が表に出たとしてもお前を罰して欲しいと。


猥褻罪と、脅迫罪で訴えている。


大人しく罪を償う事だな。


だいたい、元伯爵には伝えていたはずだ。


ロビンの意思が固まれば訴えると、、、、」





クリスティーナは驚いたように言う。



「そんな、、、それでお父様は外国へ私達を、、、。」



グリセンコフ侯爵は言った。



「はっ!両親はお前を必死に守ろうとしていたのに、本人がなにもかも台無しにするとは、、」



クリスティーナは、ロビンの方を見て言う。



「お願い。ロビン。助けて。」



ロビンは、クリスティーナを睨みながら言った。



「だれが、お前なんかを助けるものか!二度と顔を見たくない。」



クリスティーナは言う。



「じゃあ、せめて写真だけでも持って行かせて。


もうここにある写真しか残っていないの。


私の大事な宝物なのよ。」



ロビンとグリセンコフ侯爵は声を揃えて言った。



「一枚残らず、捨ててください。」




クリスティーナは叫び声を上げる。


「お願いよ。止めて。それは大事な宝物なのよーーーー!捨てないでーーーーー!」







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