第9話 乱入

ロビンは、父を見て言う。


「アニータを連れ戻しに来ました。もうそろそろいいでしょう。」


父は驚き、ロビンへ言った。


「何を言っている。君とアニータは離婚するはずだ。」


ロビンは父へ言った。


「誓約書の内容は3年間だったはずです。まだ結婚して3年経っていない。この誓約を先に破られたのは公爵ですよね。」


ロビンは、胸から一枚の紙を出して、テーブルの上に置く。


それを見た父は青ざめ慌てて、紙を回収しようとしてきた。

「どうしてだ!それは燃えたはずだ!」


父が回収する前に、母が紙を取り読み上げる。




「ロビン・グリセンコフは、アニータ・ガーランドに対して結婚後3年子供ができるような行為を行わない。この誓約については、アニータを含め誰にも話してはならない。


ですって!貴方!なんて事を、、、、」




母に睨まれた父は慌てて言い訳をする。


「私は心配だった。可愛いアニータがこんなに早く嫁に行くなんて思わなかった。こうしておけば、いつか帰ってきてくれると思って、、、」



母は大声で言った。

「貴方!いい加減にしてください。アニータがどれだけ悩んでいたと思っているのですか!」



アニータはロビンへ尋ねる。

「私は愛されていないわけじゃなかったの?」



ロビンは、アニータに言った。

「愛している。俺が愛しているのは君だけだ。ただ公爵との誓約書もあるし、俺も今まで女と付き合った事がなくて自信も無かったから3年後でもいいかなと思って、、、そんなにアニータが悩んでいるなんて思わなかった。」



アニータは言った。

「でも、貴方はクリスティーナと付き合っていたのではないの?」



ロビンは言う。

「違う。あんな女と付き合うはずない。だいたいあの女のせいで俺は、、、、」







その時、ドアの向こうで言い争う声が聞こえてきた。


「おい、通してくれ。俺はアマージス男爵だぞ。ここか!」


止める使用人達を振り払いながら部屋に入って来たのは、アマージス男爵とクリスティーナ男爵令嬢だった。

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