第2話 続 捨ててください

ロビンは、最愛の妻の言葉に愕然とした。


最近妻の様子がおかしい事には気が付いていた。


何度ロビンが手紙を送っても、食事に誘ってもロビンに会おうとしない。


ロビンは、妻に近づこうとした。

「アニータ。何を言っているんだ。私が君を捨てるはずなんてないだろう。」




詰め寄るロビンの前に、アニータが実家の公爵家から連れてきた侍女達が立ちふさがった。


「アニータ様に近づかないでください。この不倫男!」


「そうよ。アニータ様に見せつけるだなんて信じられないわ。」


「クズ!見た目が良くても最低ね。」





公爵家から来た侍女達は洗練されており、ロビンをいつも手厚くもてなしてくれていた。


豹変する侍女達に驚き、ロビンは思わず後ずさりながら反論する。


「不倫だなんて何の事だ!私がそんな事をするはずないだろ!」






そのロビンの腕には、クリスティーナが相変わらず胸を押し付けるように絡みついていた。


侍女達が鬼の形相で言う。正面に座るアニータは憔悴しており、ロビンと眼を合わせようとしない。




「まあ、何て事!よくも腕にゴミをつけたまま言えますね。」


「アニータ様の部屋から出て行って下さい。」


「アニータ様。すぐに公爵家へ帰りましょう。こんな所いる価値なんてありません。」



怒る侍女達にロビンは部屋の外へ押し出される。



ロビンは、理由が分からず混乱したままなんとか部屋に残ろうとする。



だが、複数の侍女達に押され、留まる事ができない。



「待ってくれ!誤解だ。アニータと話をさせてくれ!」







そのロビンの腕に絡みついたクリスティーナは煽るように言った。


「ロビン。愛しているわ。あんな貧相な女もういいじゃない。私と結婚するって約束したでしょう。」



その声が聞こえたのか、アニータが言った。



「もう無理だわ。さようなら。ロビン。クリスティーナさんとお元気で、、、」



ロビンが驚き、アニータを見つめる目の前で、侍女達によってドアが思いっきり閉められた。









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