第3話

………

「さぁ、入って入って」

現在、総隊長の家にお邪魔させてもらっている。

総隊長の娘さんに魔法少女について教えるためだ

「お、おじゃましまっす!」

緊張しながら、総隊長の家に入る。

この家は総隊長の娘さんの趣味なのか、白を基調とした可愛らしい雰囲気の部屋だった。

ぬいぐるみとかがたくさんある。

総隊長は部屋の真ん中にあるテーブルの椅子を引いて座るように促してくる。「遠慮せずに座ってくれ」

「は、はい」

私は言われた通りに席に着く。

総隊長は私の前に座り、話し始めた。

「まず初めに、娘の名前だが、アイラ・フィーレアと言うんだ。アイちゃんと呼んであげてくれ。」総隊長はニコニコしながら言う。

私は苦笑いをしながら、はいと答えた。総隊長は満足そうにうなずき、本題に入った。

「では、早速だがまだ帰ってきてないんでな、教える魔法についての会議始めようか。アイちゃんには魔法少女のことについて教えてやって欲しい。」

「わかりました」

私がそう答えると、総隊長はホッとした表情をした。

「よかった。それなら安心して任せられるよ」

「それで、娘さんは何歳なんですか?」

「今年で6歳なんだ。だから魔法少女については、まだわからないことが多いはずだ」

「なるほど。ちなみに、娘さんはどんな魔法を使いたいんですか?参考までに聞いておきたいのですが」

「そうか。そうだな。えーっと、確か……」

総隊長は思い出そうと頑張っていた。

そんなに難しい質問ではなかったと思うのだが……

「そうだ、氷の魔法だ。」

「そうですか。わかりました。他にはありますか?」

「後は....そうですね、魔法少女してるとケガが多いので治癒の魔法も教えましょうか?」

「確かに、それも必要だな。他に何かあるかな」

「他は特にないと思いますが、強いて言うなら、娘さんはまだ幼いので、誰かが、付き添いとして同行しないといけないのですが..これは私が同行するのでよろしいでしょうか?」

「もちろんだとも。むしろ、頼んでもいいのかい?私は忙しくてなかなかついていけないんだよ」

「大丈夫ですよ。いまは暇な時間ができましたら」

「それは助かる。アイちゃんには私から伝えておくから、よろしく頼む」

「了解しました」

私は立ち上がり、帰ろうとしたが、総隊長に止められた。

「次の日曜日にまたきてくれるかい?」

明日じゃん、明日って言えばいいのに

「了解です」

そう言って私は総隊長宅を後にした。

帰り道、私は魔法少女のことを思い出していた。

魔法少女って言ったらやっぱりアレだよな……

私は少しワクワクした気持ちで家路についた。

日曜日になった。

約束通り、総隊長の家に行く。

総隊長はもう既に準備をしていたようで、すぐに家の中に入れてもらえる。

総隊長はこちらを見て言う。

相変わらず、総隊長はニコニコしている。

どうやらご機嫌なようだ。

私は挨拶をして、要件を話すように促す。

総隊長はコホンッと咳払いをするそして真剣な顔つきになり、こちらを見つめてくる。

どうやら大事な話があるようだ。

私もそれに合わせて姿勢を正す。

総隊長は口を開いた。

総隊長は真剣な顔をして話し始める。

その目はどこか遠くを見ているような気がする。

「おろ?まだ娘さんはいないんですか?」

「それが、痛いのはやだって言って、部屋に閉じこもっちゃってるんだよ」

総隊長は大きなため息をつく。

私は呆れながら総隊長に言った。

すると、総隊長は慌てて私に謝ってきた。

まったく……

私は総隊長をジト目で見る。

総隊長は申し訳なさそうな顔をして私を見る。

仕方ないので、私は部屋の前に行ってみますと言って、その場を去った。

部屋の前で声をかけると、アイちゃんが泣きながら出てきた。

私は総隊長に言われた通りに、アイちゃんに話しかけることにした。

私は優しく声をかける。

「どうして、泣いているんだい?」

しかし、一向に泣き止まなかった。

困ったなぁと思いつつ、とりあえず頭を撫でてみる

すると、少しずつ落ち着いてきたのか、泣くのをやめてくれた。

よかった。これで話ができる。

今度は答えてくれなかったが、私の顔を見ると、なぜか笑顔になってくれた。

なぜだろう? 不思議に思っていると、アイちゃんは私の手を握りしめてきた。そして、私を引っ張っていく。

私は引っ張られるままについていくことしかできなかった。

アイちゃんに連れられた先には、総隊長がいた。

総隊長はアイちゃんの頭を撫でると、アイちゃんは嬉しそうに笑っていた。

アイちゃんは総隊長の膝の上に座ると、私に向かって手を伸ばしてきた。握手だろうか? 私はアイちゃんの手を握る。

アイちゃんは私と目が合うとニコッと笑ってくれた。かわいい! それから、しばらく3人で遊んでいた。

アイちゃんは終始ニコニコしていて楽しそうだった

「今日はありがとうね。おかげでアイラも喜んでくれてるよ」

「いえ、大丈夫ですよ。アイちゃんはかわいかったですし」

「ははっ、君もすっかりお姉さんだねぇ」

「そ、そんなんじゃないですよ!」

私は慌てて否定したが、総隊長はニヤリとした表情を浮かべていた。

なんだか恥ずかしくなってきてしまったので、私は話題を変えることにした。

「それでは、魔法についての授業をしていいですか?」

総隊長はうむとうなずいた。

それを確認した後、私はアイちゃんの方へ向き直り、魔法の説明を始めた。

魔法にはいくつかの種類がある。

まず最初に基本属性である火・水・風・土だ。これらは全ての魔法少女が使える。

私が使えるのは火、水、土の三つ

次に固有魔法と呼ばれる。これは魔法少女によって違うものになる。

私が使えたのは時間操作の魔法だ。

時間操作の魔法は体内時間、又は対外時間時間を操作することができる。ただそれだけの魔法だが、応用が効いて便利なのだ。

最後に上位魔法と呼ばれているものがある。

これは、一部の魔法少女が使える上位魔法となる。

ちなみに、アイちゃんの使いたい氷の魔法はこの上位魔法に分類される。

この上位魔法は人それぞれで、全く同じというのはないらしい。

また、魔法には相性があり、自分に合った魔法でないとうまく発動しない。

例えば、火の魔法が得意な魔法少女でも、水が苦手だと上手く使うことができない。

そういう風に、自分の得意な魔法がわかるまで練習する。

これが魔法少女になるための訓練なのだ。

私はアイちゃんにわかりやすく教えていった。

アイちゃんも真剣に聞いてくれたので、私としてもやりがいがあった。

一通りの説明が終わると、アイちゃんは目を輝かせながらこちらを見つめてくる。

どうやら興味を持ってくれたようだ。

さすが私の娘!よくわかってるぅ〜 私は内心ほくそ笑みながらアイちゃんの頭を撫でた。

アイちゃんはとても気持ち良さそうな顔をしていた。とてもかわいい。

私は続けて、治癒魔法についても簡単に説明する。

アイちゃんは治癒魔法に興味があるようで、熱心に話を聞いていた。

本当に賢い子だ。

私も負けないように頑張ろうと思った。

その後、私はお礼を言って家に帰る。

アイちゃんは名残惜しそうにしていたが、仕事があるので帰ることにした。

帰る途中、私は前にボルマン魔法省長官に言われていたことを思い出していた。

長官曰く、孤児で魔法少女の素質がある子供を見つけ次第保護しろとのことだ。

もちろん、その子供たちは強制的に魔法少女にさせられるわけではない。

あくまで本人の希望に添って魔法少女にさせるそうだ。

ただ、その条件というのが、親がいないこと、または身寄りがないこととなっている。

つまり、孤児院にいる子供達を優先的に探せばいいということだ。

しかし、アイちゃんのように、すでに誰かに引き取られている場合もあるため、その場合は他の方法を考えなければならない。

私はどうしようか悩みながら歩いていた。

すると、前方から見知った顔の少女が現れた。

私は彼女に声をかける。

彼女は少し驚いたような顔をした後、私に挨拶してきた。

私も同じように応える。そして、私は本題に入ることにした。

私はアイラちゃんのことを話すと、

「うん、知ってるよ」と言ってきた。

なんでも、彼女はアイちゃんの家の近くに住んでいるらしく、それで知り合ったらしい。

彼女の名前は、アリッサ・ローウェル。年齢は10歳。

私より年下なのにしっかりしててすごいなぁ。

私は感心しながら話を聞く。

「アリッサちゃん、最近物騒だから気をつけてね」と忠告した。

「物騒?」と首を傾げる。

しまった!まだ知らないのか! 私は慌てて誤魔化すように、 近頃、魔法をまだ覚えていないが魔法を使えるかもしれない少女狩りが行われていることを告げた。

幸い、私の見た目が幼女なので、疑われることはなかった。

しかし、このままではアイラちゃんも危険に晒されてしまうかもしれない。

そこで、私はある提案をした。「とりあいず、家まで送っていくよ」

そう言うと、私はアイちゃんの住んでいる場所を聞いて、そこに向かうことにした。

向かう道中、私は彼女にいくつか質問をする。

まずは、なぜ一人で出歩いているかを聞いたところ、友達の家に遊びに行って帰る途中だったらしい。

それなら仕方がないと思い、次に魔法少女についてどう思っているか聞くことにした。すると、彼女は特に何も感じていなさそうな表情をしていた。

私はそれを不思議に思い、どういう理由なのか尋ねた。

すると、どうやら魔法というものに憧れを持っていないということだった。

それどころか、魔法がなくても生きていけるとさえ言っていた。

それは、幼い子供が口にするような言葉ではなかった。

普通は、魔法少女になりたいと思うのが当たり前なはずだ。

私はさらに詳しく聞き出すことにした。

どうやら、彼女は過去に何かあったようだ。

詳しくは語ってくれなかったが、その時の出来事がトラウマになっているのだろう。

私はこれ以上は聞かない方がいいと判断し、話題を変える。

次に、魔法を覚えたいかどうか聞いた。

しかし、アリッサちゃんは答えてくれなかった。

私はそれでも諦めず、なんとか説得しようと試みるが、彼女は頑として譲らなかった。

結局、私が折れる形で話は終わった。

私は最後に、これからもアイちゃんのことよろしく頼むとお願いし帰り道、私は今後のことについて考えていた。

まずは、アイちゃんの安全を確保しないといけない。

それに、アイちゃんに魔法を教えることも考えなければ。

あの子に素質はある。

魔法を覚えればきっと強くなる。

しかし、それを決めるのは彼女自身だ。

無理強いすることはできない。

私はとりあえず保留にして、また今度考えることにすることにした。

そして、もう一つ、アイちゃんに魔法の使い方を教えなければならない。

これは、私が教えるのがベストだと思う。

なぜなら、私は上等魔法少女であり、なおかつ上位魔法も使えるからだ。

私は早速、家に帰ってアイちゃん一緒に練習することを決心するのであった。

あれから1ヶ月が経った。

私は毎日のようにアイちゃんを武術の練習に付き合わせていた。

おかげでアイちゃんは身体強化をある程度使いこなせるようになった。

身体強化は魔力がなくても使えるため、普通の職員でも覚えることが義務化させられている。つまり、自分の身は自分で守れるようにということである

もちろん、まだまだ未熟だが、普通の子供と比べると、だいぶ成長している。私はそんなアイちゃんを見て嬉しく思う。

アイちゃんも私に懐いてきてくれた。まるで本当の姉妹みたいだ。

今日もまた、アイちゃんは家に来て、一緒に武術の特訓をしている。

アイちゃんはもうすぐNEAコアを移植する手術をするので、それまでに少しでも強くなっておきたいらしい。

アイちゃんはすごくやる気だ。

私はアイちゃんの熱意に負けないように頑張ろうと気合いを入れた。

それから、しばらく武術の練習した後、私はアイちゃんに、手術が終わったら魔法を使ってみないか聞いてみた。

アイちゃんはもちろんうれしがった。ただ、不安もあったようで、もし暴走したらどうしようということだった。

その点については大丈夫だと私は太鼓判を押した。

なにせ、私も昔は制御できずに大変だったのだ。

今は完璧にコントロールできている。私はそう信じていた。

数日後、アイちゃんは手術を受けることになった。

私は心配でたまらなくってずっとそわそわしっぱなしだった。

ついに手術当日になった。

私とアイちゃんは、病院に行くとすぐに手術室に向かった。

私はその間ずっと祈っていた。どうか成功しますようにと

しばらくして、医師が出てきた。

私はすぐさま駆け寄る。

すると、彼は成功したことを告げてきた。

私はホッとすると同時に涙が出そうになった。

よかった……本当に良かった! 私は心の底から喜んだ。

そして、アイちゃんを抱きしめる。

アイちゃんも泣きながら喜んでくれたこうして、無事にアイちゃんは魔法が使えるようになったのである。

その後、私はアイラちゃんと別れて家に帰ることにした。

早く魔法を使いたくてうずうずしていた。

家に着くと、私はさっそくアイちゃんの部屋に向かう。

アイちゃんはまだ泣いていた。余程嬉しかったんだろうなぁ。そう思うとなんだか微笑ましくなった。

私はアイちゃんを慰めると、早速魔法を使うように促した。

アイちゃんは緊張しながらも、深呼吸をして精神統一をする。

そして、右手を前に出して呪文を唱えた。

すると、手のひらの上に小さな火球が現れた。

やったー!! アイちゃんは魔法を成功させた。

私は自分のことのように喜んでいた。

アイちゃんもそれは同じだった。

二人で喜び合った後、私はある提案をした。

それは、魔法の国家資格を取り、魔法省所属の魔法少女になることだ。そうすれば、魔法を好き勝手に使うことはできないが、生活には困らないくらいのお金が入ってくるようになるはずだ。

それを聞いてアイちゃんは戸惑っていた。

それもそうだ。まだ幼い彼女にこんな話をしても理解できないだろう。

ただ、いずれ必要になる時が来るかもしれない。だから、今のうちから考えておいて欲しかった。

アイちゃんはわかったと言って納得してくれた。

これでひとまず安心だ。

私はアイちゃんと一緒に夕食を食べた後、お風呂に入った。

私はいつも通り湯船に浸かり、リラックスして今日の疲れを癒す。

今日はアイちゃんにとっていい日だっただろうな。

私もアイちゃんと一緒で嬉しいし、魔法も覚えることができた。

これからもアイちゃんの成長を見守り続けたいな。

そんなことを考えていると、突然家のインターホンが鳴る音が聞こえた。

誰か来たのかな? 私は不思議に思いながらも、扉を開ける。

「やあ!手術が成功したんだって?」

「フィーレア総隊長!!」

なんと、目の前にいたのはアイちゃんの父親で私の上司のフィーレア総隊長だった。

彼は成功したことを知っていたようだ。

なぜ知っているのか疑問に思ったが、それよりも今は彼の質問に答えなければならない。

私は娘さんの手術に成功したことを告げた。

それを聞いたフィーレアさんはとても嬉しそうな顔をする。

そして、アイちゃんに近づいていくと、優しく頭を撫で始めた。

その光景を見て私は少しだけ羨ましいなと思った。

しばらくすると、アイちゃんは眠くなったのか、眠ってしまった。

私は、アイちゃんをベッドまで運ぶと、そのまま寝かせてあげた。

私はアイちゃんのことが心配だったので、このまま家に残ることにした。

フィーレアさんも泊まっていくらしく、私達は三人で過ごすことになった。

夜遅くまで語り明かした。

私は、アイちゃんのことを彼に話すと、とても興味深く聞いていた。

そして、彼は私にアイちゃんを任せたいと言ってきた。

アイラちゃんの面倒を見てくれると言った。

もちろん、私は快く引き受けることにした。

こうして、私たちは家族のように過ごす日々が始まったのであった。

アイちゃんの手術から数ヶ月が経った。

私は相変わらずアイちゃんと仲良く暮らしていた。


「郡ちゃん!!一緒に遊ぼ!」

アイちゃんは私を見つけるとすぐに抱きついてくる。

私もそれに答えるようにアイちゃんを抱きしめる。

もうすっかり仲良しになっていた。

この子は将来どんな子に成長するんだろうか? きっとすごく可愛い子になるに違いない! 私はそう確信していた。

そんなある日のこと。

私はアイちゃんを連れて、近所の公園に来ていた。

私とアイちゃんはベンチに座っておしゃべりをしていると、男の子たちが近寄ってきた。

どうやらアイちゃんを遊びに誘いに来たらしい。

私はアイちゃんに断りを入れて、彼らと遊ぶように言った。

アイちゃんは渋々といった様子だったが、友達ができたことは素直にうれしいみたいだ。

私は彼らの邪魔にならないようその場を離れた。

それから数時間後、私は買い物を終えて帰路についていた。

しかし、途中で見知った顔を見つけたので声をかけた。

それはアイちゃんとアイちゃんの友達だった。

彼らは楽しそうに話しながら帰っているところだった。

私はその様子を微笑ましく思いながら眺めていた。

すると、いきなりアイちゃんがこちらを向いたかと思うと、何かを叫んでいる。

一体何があったんだろうと思っていると、彼らが駆け足でやってきた。

どうしたんだろうと思いつつも、事情を聞くと、彼らは私にも一緒に来て欲しかったみたいなのだ。

特に断る理由もなかった私は、彼らについていくことにして、歩き出した。しばらく歩いていると、アイちゃんがとある場所の前で立ち止まった。

そこは、小さな雑貨屋だった。

店の前に並んでいる商品を見ると、可愛らしい小物がたくさん置いてあった。

アイちゃんはそれを見て目を輝かせている。

そして、店の中に入っていった。

店内に入ると、店員らしき女性がいた。

彼女はアイちゃんの姿を見るなり、笑顔を浮かべて話しかけてきた。

それを見た私は嫌な予感がしたので、アイちゃんを止めようとした。

だが、遅かったようで、アイちゃんはすでに店内の物を手に取って見ていた。

それを見て、女性はまた来てくれたのねと言って嬉しそうにしている。

私は諦めて店の中に入っていった。

アイちゃんは色々なものに興味津々で見ている。

その姿はまるで子供のようだ。

しばらくすると、女性が私達のもとにやって来た。

そして、私達にあるものを見せてきた。

それは、髪飾りだった。

アイちゃんはそれを一目見て気に入ったらしく、それを手に取った。

すると、女性はアイちゃんの頭にその髪飾りをつけてあげると言ってきた。

アイちゃんは少し恥ずかしそうにしていたが、やがて大人しく頭を差し出してきた。

そして、髪飾りをつけてもらうと、照れくさそうな表情をした。

それを見て、私達は思わず笑みがこぼれてしまった。

その後、私とアイちゃんは女性の勧めもあって、お揃いの髪留めを買うことにした。

アイちゃんはそのことに大喜びしている。

私も内心では喜んでいた。

そして、私達は店を後にするのであった。買い物を終えた私達は帰り道を歩いていた。

すると、突然アイちゃんが立ち止まる。

どうやら何か見つけたようだ。

彼女が指さす方向を見てみると、そこには小さな露店が並んでおり、アクセサリーを売っているようだった。

またですか

私はアイちゃんの手を引いて行こうとしたが、なかなか動かない。どうやら欲しいものがあるみたいだ。

私は彼女の様子を見て察すると、彼女にお願いをしてみる。

すると、アイちゃんは笑顔で了承してくれた。

そして、私達は露店に向かう。

私達が近づいていくと、店主である中年の女性は歓迎してくれる。

そして、並べられた商品を私に見せてくる。

どうやらネックレスを販売しているようだ。

その品揃えはかなり豊富で、様々なデザインのものが揃っていた。

どれも手作りなのか、温かみのある作品ばかりだった。

私はその中で一つのネックレスに目をつけると、手に取る。

そして、それをじっくりと見ながら考える

「これください!」

私が悩んでいる間にアイちゃんは即決してしまった。

私は慌ててお金を払うと、アイちゃんを追いかける。

「もうちょっと考えてから買った方がいいんじゃない?」

「大丈夫だよ!だってこれは郡ちゃんとおそろいだから!」

アイちゃんは屈託のない笑顔でそう言ってくる。

私はそんな彼女を見て、何も言い返せなくなってしまう。

そして、私は観念してため息をつくと、二人で仲良く手を繋いで帰るのだった。

それから数日後のこと。

今日はフィーレアさんが泊まりに来る日なので、私は張り切って料理を作っていた。

ちなみに、今日のメニューはハンバーグだ。

私とアイちゃんは椅子に座って待っていた。

しばらくして、玄関の方から音が聞こえてきたかと思うと、扉が開かれる。

そして、そこからフィーレアさんの姿が見えた。

彼はいつものように微笑むと、私達の方に向かってくる。私は彼に挨拶をしてから夕食を食べ始める。

食事の最中、私は彼と他愛もない話をした。

彼の話は面白くてつい聞き入ってしまう。

こうして、楽しい時間はあっという間に流れていった。

それから数日が経ったある日のこと。

私はアイちゃんと一緒に近くの公園に来ていた。ここなら遊具もたくさんあるし、子供たちが遊んでいてもおかしくはないはずだ。

私達は早速探し始めるが、残念なことに子供はいなかった。

どうしようと思っていると、誰かがこちらにやってきた。

見ると、それはアイちゃんと同じぐらいの年齢の子供だった。

その子は私たちを見ると驚いたような顔をしていた。

一体何があったんだろうと思いつつも、私は話しかけることにした。

しかし、男の子は急いでいるのか、すぐにどこかへ行ってしまった。

アイちゃんは少し悲しげな表情をしていたが、気にしていないようだった。

結局、この日は収穫なしで終わってしまった。

次の日に私はアイちゃんを連れて近所の商店街に来てみた。

ここにはたくさんのお店があるので、子供が遊ぶ場所もあるだろうと思ったからだ。

私達はしばらく歩き回っていたが、特に変わった様子はなかった。

そこで私はアイちゃんに聞いてみることにした。

すると、彼女は首を横に振って否定した。

どうやらここにもいないようだ。

私は仕方ないので別の場所に行くことにした。

その後もしばらく探したが、どこにもそれらしい場所は見当たらなかった。

アイちゃんは落ち込んでいるが、私は別のことを考えていた。

どうしてこの辺りにはいないのだろうか? 他の場所で遊んでいるのかもしれない。「アイちゃん、もう少しだけ頑張ってくれる?」

「うん」

アイちゃんは笑顔で返事をする。

私は彼女を元気づけるために頭を撫でた。

そして、私達は再び歩き出した。

だが、どれだけ歩いてもその気配すら感じることができなかった。

私達は疲れたので休憩することにした

「ごめんね、なかなか見つからないね……」

「ううん、大丈夫だよ。それに、まだ諦めたくないもん!」

アイちゃんはそう言うと、ベンチから立ち上がってまた歩き始めた。

私もそれに続くように立ち上がると、彼女について行った。

それからしばらく歩いていると、私は「あれ?」

思わず声を出してしまう。

なぜなら、そこには小さな空き地が広がっていたからだ。

どうやらここは公園ではなく、ただの空きスペースのようだ。

私達は不思議に思いながらも中に入っていく。すると、そこには小さな女の子がいた。

その子はこちらを見つけると、怯えるように走り去っていってしまった。

その光景を見た私は疑問を抱く。

あの子、なんであんなところに一人でいたんだろう。

アイちゃんも同じことを思ったようで、私達は顔を見合わせると、少女の後を追いかけた。

私達は必死になって追いかけた。

しかし、なかなか追いつくことができない。それでもなんとかして捕まえようと私は走る速度を上げる。

その時だった。私の足が何もないところでつまずき、転びそうになる。

私は慌てて体勢を立て直すが、その間にアイちゃんの姿が見えなくなってしまった。

私は焦りながら周囲を探す。すると、何かがぶつかり合う音が聞こえてきた。私は音のする方に向かうと、そこにアイちゃんと先ほどの少女を見つけた。

二人は取っ組み合いをしているようだった。

私は慌てて二人の間に割って入る。

そして、アイちゃんを庇いながら相手の子を睨む。

相手は小学校低学年くらいの少女で、髪が長く、とても大人しそうな印象を受ける容姿をしていた。

その子は突然現れた私達に驚いていた。

そして、慌てながらその場から離れようとする。しかし、アイちゃんがそれを許さなかった。

彼女はその子の腕を掴むと、離そうとしなかった。

私はそんなアイちゃんの行動を見て、感心していた。そして、私は彼女に話しかけることにする。

しかし、言葉が出てこず困っていると、アイちゃんは私の代わりに質問してくれた。

最初は警戒しているようだったが、アイちゃんの言葉を聞いて少しずつ話してくれるようになった。

そして、彼女の口から驚くべき事実が告げられる。

それは、彼女がこの近くの孤児院に住んでいるということだ。

さらに、最近までは他にも何人かの子供と一緒に暮らしていたのだが、ある日を境に急にいなくなったのだという。

それを聞いた私は嫌な予感がした。

もしかすると、その子たちは……私はそのことをアイちゃんに伝えると、彼女は泣き出してしまった。

私達が泣いていると、いつのまにか近くに人が立っていた。

見ると、そこにはさっきの子がいて、私達をじっと見つめている。

私はすぐに謝ると、彼女は気にしないでと言ってくれた

そして、今度は彼女から話を聞かせてくれた。

それによると、やはりこの近くで子供が次々と行方不明になっているらしいのだ。しかも、その中にはこの前見かけた男の子もいた。

どうりでいないわけだ

もしかすると、この子はそのことで私達のことを探していたのかもしれない。

私はそう思って聞いてみると、どうやら当たりのようだ。

しかし、その子の話には続きがあった。

なんでも、その子は友達が欲しかったらしく、一緒に遊んでくれる人を探していたということだった。

だが、みんな怖がってしまい、誰も遊んでくれなかったようだ。

それで、私とアイちゃんのことを見かけて話しかけようとしたところ、アイちゃんに捕まり、今に至るという訳だった。

私はアイちゃんの方を見る。

アイちゃんはまだ泣いていたが、もう大丈夫なようだった。

私はアイちゃんに声をかけてから、その子に近づいていく。

彼女は私を警戒していたが、アイちゃんが手を差し出すと、恐る恐るといった感じで握手をした。

こうして、私達は三人で遊ぶことになった。

それから数日後のこと。

私達はいつものように公園に来ていた。

最近はここで遊ぶことが多くなっていた。

理由は簡単で、ここならあまり人目につかないからだ。

それに、ここには遊具もあるので子供たちが遊んでいるのもよく見かける。

私達は早速遊ぼうとしたが、今日は珍しく先客がいた。

どうやら私と同じぐらいの年齢の男の子のようだ。

彼は私を見ると驚いたような顔をしていたが、私達は特に気にも留めなかった。

だが、しばらくして男の子がこちらに向かってきた。一体何事だろうと思っていると、男の子は私の前で立ち止まった。

そして、こう言った。

君、可愛いね!僕と付き合ってくれないかな?

私達は一瞬何を言われたのか分からなかったが、理解すると同時に唖然としてしまう。なんだこいつマセすぎだろ

まさか、こんな風に告白されるなんて思わなかった

すると、アイちゃんが私の前に出てきて、彼に立ち塞がった。

彼女は頬を膨らませながら彼を睨みつける。

その様子はとても可愛かったが、今はそんなことを考えていられない。

私は慌ててアイちゃんを止めようとしたが、その必要はなかった。

なぜなら、彼がアイちゃんを見て固まっていたからだ。

どうやら彼女に夢中になってしまったみたいだった。

しかし、アイちゃんはそれが面白くないようで、私の後ろに隠れてしまう。

こうなると、私は身動きが取れなくなってしまうので困ってしまう。

そこでふと思いつくことがあった。

私は彼に提案してみることにする。

「私はこの子の家族ではないので、親に許可もらわないとですので、答えはNOです」すると、意外とあっさり了承してくれたので安心する。

これでアイちゃんも機嫌が良くなってくれるといいんだけど……

しかし、私はこの時まだ知らなかった。

この後、とんでもない事態に巻き込まれることを。

私はアイちゃんを連れて家に帰ることにした。

あの後、結局アイちゃんは最後までなぜか拗ねていたので、説得するのに苦労した。

しかし、なんとか納得してもらうことができた。

そして、私とアイちゃんは手を繋いで歩いていた。

その時、私の視界にあるものが映る。

それは、道路を渡ろうとしている親子の姿だった。

私は慌てて駆け寄ると、二人を引き止めたそして、道を渡るのをやめるように言う。

なぜなら後ろから暴走車両が突っ込んでくるからだ

しかし、二人は不思議そうな顔をしながら首を傾げるだけだった。どうやら私の声が聞こえていないようだ。

しょうがない。

そう思いながら、暴走車両の前に出て、シールド魔法を張る

すると、次の瞬間、凄まじい衝撃が襲ってきた。

私は吹き飛ばされそうになるが、必死に耐え続ける。

そして、数秒ほど経った頃だろうか。

ようやく車が止まり、私はホッとする。

すると、車のドアが開き、中からは運転手が出てきた。

そして、私を見るなり驚いているようだった。

おそらく私が生きていることが信じられないのだろう。まあ、普通はそうだよね……

私は苦笑いしながら話しかける。

最初は警戒していたものの、話を聞いてくれたので助かる。

私は事情を説明することにした。

「私は魔法省第二対策課所属、郡菜乃上等魔法少女です」

そう言って身分証を見せる。すると、今度は向こうが驚く番だった。どうやら信じてくれたようだ。

その後、警察を呼んでもらい、事故処理をしてもらった。

私はその光景を見ながら、あることを思い出す。

実は最近、こういった交通事故が増えているのだ。しかも、そのほとんどが子供が巻き込まれているらしい。これは明らかに異常だ。

私はそのことを警察に話すと、すぐに調査してくれることになった。

だが、あまり期待はできないだろう。

というのも、こういった事例は魔法が絡んでいることが多く、たとえ警察でも魔法が使えない一般人には干渉できないのだ。

つまり、私達が解決しなければいけないということだ。

ただ、今回は相手が相手なので少し厄介かもしれない。

私は気合を入れ直してから、アイちゃんの手を引いて歩き出した。

それから数日後のこと。

私は職場に復帰して、魔法犯罪の調査を進めていた。

しかし、今のところ成果はないに等しく、進展はほとんどなかった。

やはり、こういうことは専門家に任せるしかないのかな?

この魔法犯罪の専門家たる魔法犯罪調査係は二課ではなく、一課の担当で私が所属する二課は主に敵組織に所属する魔法少女との戦闘が主である

三課は後処理を行う、後処理のプロフェッショナルで構成されている。

ちなみに、一課と二課の違いは戦闘ができるか出来ないかというだけで、仕事内容はほぼ同じと言っていいだろう。

私はとりあえず、今回の件を一課長に相談することにした。

そして、今に至るわけだが……

私は目の前の人物を改めて見る。

その人物とは、魔法犯罪捜査部のトップにして、私の二人目の上司でもある白谷(しらたに)

美代子(みよこ)特等魔女だった。

彼女は私より年上で、見た目は二十歳ぐらいに見えるが、実際は四十を超えているはずだ。

彼女は若くして特等魔女になったエリートであり、実力も確かだった。

さらに、容姿端麗でスタイル抜群なため、男性職員の間では人気が高いが、本人はそういったことには全く興味がないようだった。

そんな彼女がなぜここに居るのかと言うと、

「それで、相談というのはなんだ?」

彼女は私を見て言った。

私は姿勢を正すと答える。

「はい。実は……」

私は今までの経緯を話し始める。

しかし、途中で遮られてしまう。

「ああ、大体の話は聞いている。だから、説明は不要だ」

どういうわけか、しっているみたいだ。

「はい。それでは本題に入りますね。まず、先日の事故についてですが、あれは明らかに不自然でした。本来ならあの程度の車両ではそこまでのスピードはでないはずです。しかし、実際にはスポーツカー並みの速度が出ていました」

「ふむ。確かにそれはおかしいな」

「はい。そこで、私は一つの仮説を立てました。あの暴走車両は何らかの方法で強化されていたのではないか、と」

「なるほど。ただ、仮にそうだとしても、誰が何のためにやったんだろうね」

私は考える。

そして、一つだけ心当たりがあることに気づく。

「考えられる犯人は2つ、一つは最近捜査対象に追加されたA級魔法犯罪者、ラインハルト・ハインリヒによる犯行。もう一つは、魔力振による突発的な魔力事故か....」【魔力振とは空気中にある魔力がある一定の濃度になると起こる事象の事である】すると、彼女は何かを思い出したかのように言う。

そして、机の引き出しから一枚の写真を取り出して見せてきた。そこには一人の男性が写っていた。

年齢は三十前後といったところだろうか。

髪色は黒で、目は切れ長、鼻は高く、顔立ちはとても整っており、俗にいうイケメンと呼ばれる類の人間だろう。

そして、注目すべきはその服装だ。

それはまるで、ナチスドイツの親衛隊のような格好だった。

しかも、かなり高位の階級だろう。

私はその写真を見ながら質問する。

すると、意外な答えが返ってきた。

なんとその男は指名手配中のテロリストだったのだ。

私は驚きながらも話を続ける。

すると、どうやら彼はすでに魔法省を退職済みらしく、元は第二対策課に所属していたらしい。

また、彼の目的は世界征服であるようだ。

正直、スケールが大きいというか、頭が痛くなるような内容だった。

ただ、事実として彼が起こした事件の中には死者が出ているものもあるらしいので、放っておくわけにもいかない。

そのため、現在、魔法省は彼に対して懸賞金を掛けており、見つけ次第、捕縛するように要請しているらしい。

私は話を聞き終えると、お礼を言って部屋を出ることにした。

すると、突然後ろから声をかけられた。

「そういえば、郡菜上等魔法少女」

私は振り返りながら返事をする。

「はい。どうかしましたか?」

「君は今回の件、どう思うかね?」

私は少し考えてから答える。

「おそらくですが、ラインハルト・ハインリヒの仕業ではないかと思います。というのも、奴は魔法犯罪調査係の子供を殺害していますし、それに、奴の目的は世界征服のようです。なので、その目的を果たすためにも魔法犯罪調査係の人間は邪魔でしょう。もし、それが理由で殺害していたとしたら、動機としては十分ではないでしょうか」

「ふむ。確かに君の言う通りかもしれないな。だが、まだ情報が少なすぎる。もう少し調べてからでも遅くないだろう」

「わかりました。それでは失礼します」

私は一課長に頭を下げると、その場を後にした。

それから数日後のこと。

私はアイちゃんと一緒に買い物をしていた。

今日はフィーレア総隊長の誕生日なのだ。

「ねぇ、郡ちゃん。プレゼントは何にするのぉ?」

「う~ん。迷っちゃうよね」

私は腕を組み、考え込む。

実は何を買えばいいのか全く思いつかないのだ。

私が悩んでいると、不意に声を掛けられた。

その人物は、先日

「ラインハルト・ハインリヒが怪しい」と言ってきた一課の白谷特等だった。あとザッ普通な感じだけどなぜか強いで有名な佐々木上等魔法師が隣に立っていた。

「こんにちは。白谷特等。こんなところで会うなんて奇遇ですね。もしかしてデートですか? 羨ましい限りですよ。私も可愛い彼女が欲しいものです。まあ、そんなことは置いておいて、なんで後を付けるんですか?」

すると、彼女は慌てた様子で言う。

「いやいや、違うぞ。私たちは偶然この辺りを歩いていただけだ」

「えぇー、本当かなぁ」

私は疑いの目を向けると、彼女は慌てて言った。

「本当だ」

彼女の様子を見る限りでは嘘はついていないように思える。

私はこれ以上追及するのは止めることにした。

そして、気を取り直して本題に入る。

ちなみに、佐々木上等はずっと黙ったままだった。

私達は近くの喫茶店に入ると、席に着く。

私はコーヒー、アイちゃんは紅茶をそれぞれ注文する。しばらく待っていると、店員さんが運んできてくれたので、それを飲んでいると、彼女が口を開いた。

私は彼女達の目的を聞くことにする。

すると、二人は顔を見合わせると、 白谷特等が代表する形で答えてくれることになったようだ。

そして、話し始めたのは良いのだが……

「お前が追ってるラインハルト・ハインリヒだが、どうやらこの町にいるらしくてな、事後承諾で申し訳ないが、お前をおとりに使わせてもらった。すまんな」


「いえ、別に構いませんよ。それで、彼は今どこに居るか分かりますか?」

次やったら、魔道具に加工してやりたいとおもってるけど。【魔道具とは魔法少女のNAEコアか魔法師、魔女にある魔力核を加工して作られる魔力を帯びた武器の事であり、私が使う、あの大剣もその魔道具の一つである。】

「ああ、それは……」

彼女はそう言うと、地図を取り出してきた。

そして、ある場所を指さすと、

「ここの廃工場の中に潜伏しているらしい」

「なるほど。情報提供ありがとうございます。それじゃあ、早速行ってみようと思うんで、これで失礼しますね」

私は立ち上がると、会計を済ませようとする。

すると、 何故か二人が私の肩に手を置いてくる。

「お前はまだ自分自身の力を完璧に使いこなせてないからな、気をつけろよ」

私はその言葉に微笑む。

なぜなら、その心配は無用だからである。

何故なら、私はもうすでにA級魔法犯罪者程度には負けることは無いからだ。

だからこそ、私は自信を持ってこう答えられる。

大丈夫です。問題ありません。

と。

私は二人に別れを告げると店を出て行く。

目的地はここからすぐ近くの場所にあったため、すぐに着くことができた。

私はゆっくりと扉を開ける。

中からは人の気配がした。

私は警戒しながら進んでいく。

すると、そこには二人の人影があった。

一人は黒髪の青年で、もう一人は金髪の少女だった。

私はその青年に見覚えがあることに気づく。

そう、それは指名手配中のテロリスト、ラインハルト・ハインリヒだったのだ。

私はその事実に驚きながらも、なんとか平静を保つことに成功した。

私は彼に話しかけてみる。

すると、意外なことに返事が返ってきた。

「おんやぁ?郡先輩じゃないですかぁ???お久しぶりでぇす」

私は彼のことを睨む。

どうやら、彼が私の名前を知っているということは、以前、私と戦ったことがあるということだろう。

つまり、彼が魔法犯罪調査係の子供を殺した犯人ということになる。

私はそのことを確信した。

私は怒りを必死に抑えながら言う。

まずは彼を無力化する必要があると考えたから。

そして、そのあとにフィーレア総隊長に突き出せばいいと思ったから。

私は彼に向かって言う。

「ハインリヒ元一等魔法師、あなたを逮捕するわ。」

だが、彼は余裕の表情を浮かべると、私に言ってくる。

察するに彼は「俺を捕まえることができると思っているのか」

と言っているのだと思う。

私はそれに答えるように言った。

もちろん、肯定の意味を込めて。

だって、SS級ならまだしもA級に私が負けるわけが無いのだから。

私がそう思っているのを悟ったのだろうか、彼は不敵な笑みを浮かべた。

その瞬間、私の周りには魔法陣が浮かび上がる。

そして、私の周りを取り囲むようにして炎の壁が形成されていく。

しかしその攻撃は悪手だ、なぜなら....私は自分の周りに浮かんでいる氷の盾に触れる。

すると、たちまち凍りついていく。

私はそれを砕くと、持ってきていた、大剣型魔道具、アラタ改【魔道具指数Sレート】を取り出してそのまま突っ込んでいく。

しかし、彼は焦ることなく魔法を発動させる。

今度は地面が大きく揺れ始めた。

私はバランスを崩すが、何とか持ち直す。そして、私は再び走り出す。

すると、突然足元が沈み始める。

私はそれをジャンプして避ける。

だが、空中では身動きが取れない。

それを見越していたのであろう、私は上から巨大な岩が降ってきて潰される。

はずだった。

私はそれを難なく回避する。

そして、私は地面に着地すると、アラタ改を構える。

すると、ハインリヒが私を見て言った。

どうやら、私が無傷な事に驚いているようだ。

だが、それも一瞬のこと。

すぐに冷静さを取り戻すと、次の攻撃を仕掛けてくる。

ハインリヒは手を上に上げるそして、空に大きな魔法陣が展開される。

私はそれを見ると、すぐさまその場を離れる。

その直後、大きな爆発音が聞こえた。

どうやら、魔法による攻撃ではなくてただの爆破によるものだったらしい。

まあ、それくらいの攻撃ならばいくらでも対処できるけどね。私は魔法障壁を展開する。

すると、私の目の前に魔法弾が飛んできた。

私はそれを大剣で切り裂き、防ぐ。

そして、私は大剣を振りかぶる。

そして、振り下ろす。

すると、衝撃波が発生し、ハインリヒの方へと向かっていった。

彼はそれを避けることができなかったらしく直撃した。

私はそれを確認すると、一気に距離を詰めようとしたその時だった。

私の足が何者かに掴まれる感触があったのだ。

私が下を見てみると、そこには先程まで戦っていたはずのハインリヒの姿は無かった。

私は急いで辺りを確認しようとすると、私の背中に強い衝撃を受けた。

私は思わず膝をつくと、後ろから声をかけられた。

それは、さっき倒したと思っていた男の声であった。

私は振り返って見ると、そこにいたのは間違いなくさっきの男だった。

私は混乱しながらも、すぐに立ち上がると、距離を取る。

そして、私はハインリヒの姿を見て驚いた。

「鎧型....魔道具.....!!」

鎧型の魔道具はあまり作られない、なぜなら鎧型は固有魔法で、自身の魔力で鎧を形成し、それを実体化するという極めて特殊な魔法だからだ。思えている奴はだいたいSS以上、とても厄介なものだ

そのため、作るにしてもかなり難易度が高いとされている。

しかし、そんなことは今問題ではない。

問題なのは、彼がどうやってあの攻撃を耐えたかということ。

私はもう一度、彼を見る。

すると、彼の体には傷一つ無かったのだ。

私は動揺を隠しきれずにいた。

すると、彼は私に言ってきた。

それは、私にとって信じられない言葉だった。

なぜ、お前は俺の本当の姿を見破れないんだ? と。

私は困惑した。

なぜなら、私は確かに彼のことを見たはずなのに、彼の姿が変わっていなかったからだ。

すると、彼は私に向かって魔法を放ってくる。

私もそれに対抗するように魔法を放つ。

しかし、彼の方が一枚上手だったようで、私の方が押されていた。

このままだとやられると思った私は、アラタ改をいったん放置して、切り札の魔道具を起動させる

「お前が鎧を使うなら....私も使ってやろうじゃあぁねえか!」

【鎧型魔道具シェケナー、魔道具指数SSレート】この魔道具は、装着者の肉体を一時的に強化することができる。

ただし、使用中は常に使用者の体力を奪っていくため、使い所が難しい。なので制限時間付きで展開できるのは100秒間だけである

また、使用するのにかなりの集中力を要する。

その分、効果は絶大である。

私は全身に力を込める。

すると、体が光り輝き始める。

そして、光が収まると、私の姿は変わっていた。

その姿はまさに鬼神そのものであった。

髪は逆立ち、目は赤く染まり、額からは角が生えていた。

そして、筋肉は膨張し、服はいつもの服から、ガントレットのような武具を装備している装甲のついた鎧に変化している。

私はそのまま突っ込むと、彼を殴り飛ばす。

彼はそのまま壁に激突する。

私はそのまま追撃を仕掛ける。

彼はすぐに体勢を立て直すと、魔法を放とうとする。

しかし、それよりも早く私が攻撃を当てる。

そして、私は拳を振り下ろす。

彼はそれを腕でガードするが、あまりの力に耐え切れずに吹き飛ばされてしまう。

私は彼に馬乗りになると、何度も殴った。

そして、最後に渾身の一撃を顔面に当てると、彼は気絶してしまったようだ。

私は息を整えると、アラタ改とハインリヒを回収して、フィーレア総隊長の元へと向かったのであった。

私はアラタ改を持って、フィーレアさんのところへと向かう。

すると、そこには既にフィーレアさんがいて、私を見つけると駆け寄ってきてくれた。

「お疲れ様、郡菜上等魔法少女、」

そう言って彼が渡してくれたのはタオルと飲み物だった。

それを受け取ると、私は汗を拭きながら、喉の渇きを満たすためにドリンクを飲む。

そして、一通り飲み終わると、フィーレアさんの方を向いて言った。

ありがとうございます、おかげで助かりました、 私がそういうと、彼は笑顔で言った。

「気にしないでくれ、君が無事で良かったよ。それにしても、君は本当に強いな!鎧持ちに勝てるなんて!流石だよ!!」 彼は私のことを褒めてくれた。

私は少し照れながらも、それを誤魔化すようにして話題を変えることにした。

ところで……あの男はどうするんですか?私が聞くと、彼は真剣な表情で言う。

「ああ、そうだね。とりあえず拘束してから尋問しようと思っているんだけど……」

「尋問が終わったら、魔道具に加工していいですか?レートはS以上行ってると思うんで」私はアラタ改を見ながら言うと、彼はこう言う

「別に所有権は君にあるからかまわないけど、尋問した後になるけど。」

「別にいいですよ。今はアラタ改とこの鎧で十分ですから」

私がそういうと、彼は苦笑いしながら、わかったと言ってきたのであった。

私はその後、ハインリヒを捕縛すると、フィーレアさんと一緒に本部へと戻った。

そして、私はハインリヒのことを報告するために、長官室へと向かっていた。

「長官、入りますよ」

私がノックをして部屋に入ると、中には長官の他にもう一人いたのだ。

「これはこれは、吉井特等殿、お久しぶりです、養成所以来でしょうか」

そこにいたのは、私の元教官であり、私の最初に所属していた部隊の指揮官でもある男、 ヨハン・シュナイダーだった。

私は彼を見ると、嫌悪感丸出しの顔をしていたのだが、すぐにそれを隠して挨拶をした。

「こんにちは、ヨハン指揮官、今日はどうしてこちらに? 」私が質問すると、彼は答えた。

「それはですね、実は先程まで私と話をしていたんですよ。」

すると、横にいた長官殿が説明してくれる。

なんでも、ハインリヒが持っていた鎧型魔道具は研究所から持ち出されたもので、元々シュナイダー教官が持っていたらしい。

それを彼が強奪したようだ

ちなみに、この鎧型魔道具の能力は、自身の魔力を使って、自身の肉体を一時的に強化するというものだ。

また、魔道具にはランクがあり、SSS,SS、S、A〜Dまである。

その中でSSレートの魔道具は、滅多に存在しないため、かなり貴重である。

そして鎧型の魔道具は装着者の体力を奪うというデメリットがあるが、実はもう一つデメリットはあるのだが普通に使う分には気にしなくていいだろう

そのため、鎧型の魔道具は長時間の使用はできない。

また、鎧型は使用者を選ぶらしく、適合しなければ使うことができないという欠点もある。

この魔道具は、装着者の肉体を一時的に強化することができる。ただし、使用中は常に使用者の肉体を徐々に奪っていく。なので使用時間に制限がある。

制限時間は100秒間のみだが、その分効果は絶大である。私はそんなことを考えていると、フィーレアさんが口を開く。

「そういえば、郡菜上等はどうしてここに?」 すると、ヨハンは答える。

「実は、私は今、ある任務の報告でここに来たのですが」

そして、私とヨハンさんが話をしていると、突然ドアが開かれて、一人の男が入ってきた

「郡菜上等!新しい装備ができたぞ!」

入ってきたのは魔道具研究所の新見薫主席研究員、あだ名は魔道具の新見。そのまんまである


「おお、あなたが噂の魔道具の新見主任ですか。はじめまして、私はヨハン・シュナイダーといいます。よろしくお願いします。」

「ああ、あんたが例のフィーレアのお気に入りか。話は聞いているよ。これからもフィーレアの事を頼むよ」

二人は握手する。

「ちょっと待ってください、私を置いていかないで下さいよ」

私は慌てて二人の会話に割り込む。

「それで、私に用事とはなんでしょう」

私がそう聞くと、彼は笑顔で言った。

「いやあ、君が持ってるアラタ改をパワーアップしたのでね。」

「えっ!?」

私は驚く。

アラタ改は確かに強力な武器ではあるが、まだ改良の余地があったのかと驚いていた。

「それに、君の持っているハインリヒの使っていた鎧の解析結果が出たんだ。」

「ほう、どんな能力が分かったんですか?」

私が興味深々で質問すると、彼はこう言う。

どうやら、ハインリヒが使用していた鎧の能力が判明して、それを元に作った魔道具が出来上がったらしい。

そして、魔道具の名前は、魔装 魔導装甲 と名付けられたそうだ。ちなみに使った魔力核はラインハルト・ハインリヒの魔力核です。

そして、魔道具の説明を聞いていくうちに、私の顔は青ざめていく。

私は思った。これ、絶対面倒なことになると……

私は、自分の未来に不安を感じていたのであった。

私は、魔道具研究所から帰ってきた後、魔道具の試作品のテストを行うことになった。

テストの内容は、私がいつも使っているアラタ改の強化版のようなものだった。

私は、アラタ改を装備すると、魔道具を発動させる。

すると、アラタ改の刀身から炎が出てきた。

私は、アラタ改の火力が上がることに満足していた。

しかし、それと同時に、アラタ改の弱点を克服できたので、私は安心して戦うことができるようになったのだ。

私が一通り確認を終えると、魔道具を見ていたフィーレアさんが話しかけてきた。

君、本当にすごいね。あんな短時間で作った魔道具を使えるなんて、流石だよ。

私が褒められると、少し照れてしまう。

そこで、私は気になっていたことを質問することにした。

ところで、あの魔道具はどういう仕組みになっているんですか? 私の疑問に答えてくれたのはヨハンさんだ。

ヨハンさんによると、彼の説明によれば、まず最初に使用者の魔力を吸い取り、それをエネルギーに変換して発動させているらしい。

そして使用者が使う技によって、その魔力を消費したり、消費しなかったりするようだ。ただ、使用者が使う技によっては、魔力を大量に消耗するので、注意が必要だと忠告された。

「この魔道具に新しい名前を付けたいんですが」

「うん、好きな名前を付けたまえ、ちなみにどんな名前にする予定なんだい?」

「そうですね....ヴェアヴォルフにしますかね」

「ヴェアヴォルフ....人狼かぁいい名前じゃん。僕は好きだよ」

ヨハンさんは気に入ったようで、笑みを浮かべていた。

こうして、私は新たな魔道具を手に入れたのだった。

私は、魔道具の試運転を終え、自宅へと帰ってきました。

そして、自室に入ると、ベッドにダイブしました。

疲れたー。

今日はもう寝ようかな。

私は、そのまま眠りについたのでした。

翌日、私は朝早く起きて、朝食を食べてから、仕事場に向かいます。

職場に着くと、そこには既に、フィーレアさんがいました。

「おはようございます。フィーレアさん。」

私が挨拶をすると、彼も返してくれました。

「おや、君は早いね。僕より起きるのが遅いと思っていたよ。」

そんなことないですよ。

私は苦笑いしながら言い返しました。

すると、フィーレアさんがこんな話を持ちかけて来ました。

「郡菜上等は何レートまで討伐したことがあるんだっけ」

「えっと、一人ではSレートで複数ではSSレートを討伐したことがあります」

私がそう答えると、彼は驚いた表情をしていました。

そして、彼は私に向かってこう言った。

へえ、凄いじゃないか。確かSSSレートとも戦ったことがあるんだよね?

その言葉を聞いた私は、彼にこう言った

「はい、討伐作戦は失敗ですが、いい経験になったと思います」

私は、その時のことを思い出しながら、話をしていました。

「......そうか。じゃあお前さんの師匠のあの特等も喜んでるだろうな。最近会ってないけど」

「........そうですね」

私は、少し悲しげな顔をしながらそう返事をした。

すると、彼は私の顔を見て、何かあったのかと聞いてきた。

私は、師匠が死んでしまった時の事を話すと、彼は黙って聞いていましたが、私にこういった。「お前は頑張ってるよ。だから自信を持て。」

私は、その言葉で救われるような気がした。

その後、私たちは仕事を始めていった。

私は、自分の机に座って書類整理をしていると、扉が開かれ一人の男が入ってきた。


「やあ、郡菜上等、元気にしてるかい?」

「ええ、まあ」

入ってきた男は、魔道具研究所の新見主任でした。

彼は笑顔で私の所に来るなり、こう言ってきました。

「君が最初に使っていたあの大剣型魔道具だけど、さすがにメンテナンスに出した方がいいと思って取りに来たんだけど、今持ってる?」

「はい、持っていますが……」

私は、魔法少女になって最初に手に入れた魔道具のイサリ【魔道具指数Bレート】を取り出して、彼に渡すと、彼は嬉しそうな顔をしていた。

「あんがと、とりあいず、代わりのはSレートのアラタ改を使っててね」

そう言うと、彼は部屋を出て行った。……今はアラタ改がよく使ってるし、イサリはそんな使わなくなってたし別になくなっても困らん。思い出はあるけれど

私は、不思議に思いながらも、作業を再開したのでした。

作業がひと段落付き昼休憩の時間になりました。

私は、食堂で昼食を済ませると、自分の席に戻って仕事をしていると、突然、警報が鳴り響きました。

私は、急いで司令室に向かうと、そこには、フィーレアさんの姿がありました。

どうやら、また魔法犯罪が起きたようです。

場所は、ここから近い場所なので、すぐに出動することになりました。

私は、アラタ改を装備すると、現場へと向かいました。


「フィーレアさん、私は先に現場に急行します!」

「分かった!俺は後を追うから、気をつけて行くんだよ」

私は、彼の声を聞く前に走り出しました。

私が現場に到着すると、そこは悲惨な状況でした。

建物が崩壊していて、多くの人が倒れていたのです。

私は

「大丈夫ですか!?」

と言いながら、人命救助を行います。

すると、瓦礫の隙間に人が挟まっているのを発見しました。

「待っていてください。すぐ助けます」

そう言いながら、その人のところへ向かい、救出しました。

「ありがとうございます」

「いえ、当然のことをしただけです」

私はそう言い残して、その場を離れようとした時だった。

「危ない!!」

誰かの声が聞こえたと思った瞬間、目の前に大きな物体が迫ってきました。……これは、魔法犯罪者の攻撃だ!! 私は、咄嵯に回避行動をとりました。

「くっ……」

何とか直撃は免れたものの、右腕を負傷してしまいました。かすり傷程度ですけど

「いきなり攻撃してくるとは....魔道具になる覚悟はできているんでしょうね!!!」

私は、攻撃してきた方向を見ると、そこには杖を持った男がいました。

「ふむ....レートはB...いやB+くらいか....まぁ魔法犯罪者は.....さっさと魔道具にするに限りますね、ピエロ野郎みたいに長生きされても困りますからね」

「ふん!やれるもんならやってみるがいい権力者のお犬ちゃん」

私は男の物言いにカチンときてとりあいず、男に向かって突撃しました。

もちろんただ無策に突撃したわけではありません

もうすでに犯罪者を捕らえる仕掛けは仕掛けてあるのですから

私が近づくと、男は詠唱を始めました。

しかし、私の方が早いので、そのまま懐に入り込み、鳩尾に一撃を叩き込むと、男は気絶してしまいました。

私は、その隙に持ってきていた拘束特化の拘束具を手錠に変形させ、その手を後ろに回させて腕を固定させると、逃げられないように足にも同じように取り付けて、動けなくしてから、本部に連絡を入れました。

その後、他の隊員たちが到着すると、犯人を連れていき、私も治療を受けて、怪我の治療をしてもらい、次の仕事に向かいます。

今日の仕事はこれで終わりです。あっけなかった気がしますがこれで終わりです。その後私は、茨城にある師匠の墓参りに行きました。

そして、報告する。

師匠、私は頑張っています。

師匠は私に、自信を持てと言ってくれましたよね? 上等魔法少女になった今でも私には自信がないんです。

師匠は私に、自信を持たせてくれませんか?



「お前はいつも通りやればいいんだ、お前はもう私より強いんだからな」

そう聞こえた気がした

私は、その言葉を聞いて、少しだけ自信を持てた気がした。

私は、その日、自分の部屋に戻ると、ベッドの上に寝転び、天井を見つめながら、考え事をしていた。

私は、何のために戦っているのかを。

私の戦う理由は、この世界を守るためである。

だが、私は最近疑問に思うことがある。それは、本当に守る価値があるのかということを。

私は、最近よく考える。

魔法省で働いている時でも、仕事中はそんなことは思わないが、仕事が終わって、家に帰ると、そんなことを考えてしまう。

私は、どうしたら良いのだろう。

そんなことをずっと考えていると、いつの間にか眠ってしまった。

翌朝、目が覚めると、外はまだ暗く、時計の針は5時を指していました。

私は、起き上がるなり、洗面台で顔を洗い、歯磨きなどを済ませると、台所に立ち、朝食の準備を始める。パンを焼いていると、外からパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。

私は、急いで着替えると、玄関の扉を開け外に出た。

そこには、人だかりができており、みんな空を見上げているので、私もつられて見上げると、そこには大きな鳥型の....鳥....

何だあれ?鳥か?飛行機か?それとも新種のUMAなのか?私は、しばらくその光景を見て呆然としていると、後ろから声をかけられました。

そこにはフィーレアさんの姿がありました。何処にでも居るなこの人

彼は、険しい表情を浮かべながら、こう言いました。

彼は、あの謎の飛行物体について何か知っているようでした。

彼は、上で飛んでいる謎物体について話してくれましたどうやら昨晩、魔法犯罪が発生したらしく、それを解決したのは、彼の部下だったらしいのですが、その時に彼が見たのは、人型ではなく、巨大な鳥のような姿だったそうです。

私は、その話を疑うことはなかったが、あまりにも非現実的な内容だったため、すぐに信じることができなかった。

しかし、証拠として映像を見せられると、確かに彼も見ていたし、私もその場にいませんでしたが、信じざる負えなくなりました。

その後、上で飛んでいる謎鳥は銃型の魔道具で撃ち落されていましたが、すぎにたちなおりそのままどこかへ飛んで行ってしまいました。

一体あの生物は何なんでしょうね。

私は、一応魔法省の方に問い合わせてみましたが、答えは返ってきませんでした。

私は、そのことを頭の片隅にとどめておくことにしました。

そして、私達は、いつものように仕事をしています

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