第2話ロリ巨乳少女の体を包む俺


 ビキニアーマーになった俺を着込んだ少女は一人できたワケではないようだ。

 すぐに「フリル!」と声が聞こえてくる。この声は別の少女だ。


「リモネ!」

「フリル、大丈夫だった? って、なんで鎧が変わっているの?」


 ごもっともな疑問をリモネとやらは告げる。こちらも垢ぬけない少女の外見をしており、長柄の槍を背負っていた。髪の色は灰褐色で腰まで垂らしている。


「わたしの鎧、スライムの粘液でドロドロになっちゃったから。代わりの鎧がここにあったから、それでね」

「こんなところに鎧が? 呪われているんじゃない?」


 リモネがごもっともな疑問を呈する。呪われているどころか男の俺の意識が宿っていて、直接、フリルの体のあんなところやこんなところに触れる感触でどうにかなりそうなのだが。

 などと言っている間に。


「魔物よ!」

「ええ!」


 洞窟の奥から一匹の巨大な動物、いや、魔物か? ……が姿を見せた。

 亀の甲羅のようなものを背負ったドラゴン。その印象を受けた。


「タートルゴンね!」

「厄介な相手だわ……」


 フリルは意気揚々と剣を抜き放つが、リモネは槍を構えつつうんざりした様子だ。

 この敵はそれなりの強敵なのだろう。

 ってか、魔物みたいなものが存在する世界なんだな。ここは。

 フリルやリモネが剣だの槍だのを持って、鎧を着込んでいることから推測はついていたが。


「ええい!」


 フリルが駆け出す。その度にフリルの体のあちこちが鎧の俺とこすれて、やわらかな感触を伝えて来る。

 や、やめろ、胸とか、股間とか。敵を倒す以前に俺の正気が保てない!

 て、ってか、あんな大型の魔物相手にフリルとかいう少女は大丈夫なのか。どう見ても小柄な少女にしか見えないが。


「はぁっ!」


 フリルが剣を一閃する。すると、魔物が背負った亀の甲羅のようなものが一太刀で斬り裂かれた。

 す、凄い、腕前だ。伊達にこんな幼さで危険そうなところをうろついているワケではないんだな……と思ったのだが。


「フリル!? その威力は!?」

「わ、凄い! わたしの剣にこれだけの力が?」


 リモネの驚いた声にフリル自身も自分の振るった剣に驚きを隠せない様子だった。


「ひょっとしたら、この鎧の力かも」


 フリルはそんなことを言う。俺の力? いや、それはないだろう、とは思うが。


「この鎧を身に着けてから体がなんだか軽いの」

「バフ付きの鎧だったってこと? それはとんだ拾い物ね!」


 なんだか俺を拾ったことを喜んでいる様子の少女戦士二人。いや、俺なんてそんないいものじゃないですけどね。

 言っている間にフリルとリモネは魔物相手に剣と槍を振るい、撃退する。やはりフリルの剣の威力は凄まじくこの魔物に与えた大半のダメージはフリルが与えたものであった。

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