見惚れる
(金曜の夜、スマホにかかってきた電話で話す樹)
樹「確かその契約は、ほぼ成立したも同然だったはずでは?
は?……全く、そんな些細な点を蒸し返してくるなんて、相手も一筋縄ではいきませんね。
——当然です。こちらもおめおめと相手の主張を飲むわけにはいきませんから(厳しい表情になって眉間を寄せる)」
柊「……(その姿を横でじっと見つめる)
『ああ、やっぱ樹さん男前……仕事してる時の冷ややかな表情とか口調とか、あーほんとマジたまんない……たまにはベッドでああいう冷徹な感じで乱暴に抱かれてみたいっっ……(//∇//)』」
樹「(柊からのアツアツな視線をがっつり意識して一層キリリと)……ええ、もちろんです。ここから先は是非僕にやらせてください。必ずこの契約をこちらの納得のいく形でまとめてみせますから」
(電話の向こうの父・充)
充「おお! 今回はやってくれるか、奥の手の色仕掛け戦法を! しかし今日は随分素直だな、いつもは絶対嫌がるのに……いやーよくわからんがやる気満々みたいでよかった!!
じゃ来週金曜、相手はムッツリなじいさんだから思い切り色っぽく頼むぞ!」
柊「……(相変わらずキラッキラな目で樹を見つめる)はあ、最高♡」
樹「……(複雑な顔で電話を終える)
『……まずいな……柊くんにいいとこ見せたくて、うっかりヘンな仕事引き受けた……』」
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