(三)-10

 三〇メートルほどの参道を進むと拝殿があった。

 その拝殿まできて、俺たちはその階段に腰掛けた。

すぐ、「足は大丈夫?」と俺は聞いた。

 木坂は「うん、ちょっと痛いだけ」と足の先をさすって答えた。

 その後、木坂はさっき買って左手にはめていた指輪を取った。そして俺に突き出してきた。

「ねえ、秀太君の手で、私の指にこれをはめてくれない」

「俺が? 自分ではめられるでしょ」

「秀太君の手ではめてくれなきゃ、意味ないの」


(続く)

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