(三)-9
脚は前に進んでいるにもかかわらず、頭の中ではそんな考えが延々と堂々巡りしていた。
しばらく歩いて行くと、木坂が沈黙を破った。
「ねえ、ちょっと休んでいかない? 足、痛くなっちゃった」
そう言って木坂は道沿いの木々に囲まれた神社の鳥居を指さしていた。
俺は彼女の足元を見ると、下駄を履いていた。慣れない鼻緒に足の指の付け根が赤くなっていた。全然気づかなかった。
だかあ俺は「そうだね」と、木坂の歩く速さを合わせて一緒に鳥居をくぐった。
(続く)
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